韓国政府「研修医、きょう中に現場復帰を」 医療界には対話促す

AI要約

政府が医師不足対策として大学医学部の入学定員増加に反発する研修医に対し、現場復帰を要請。学生にも授業復帰を促す。医療界と政府の対話を呼び掛け。

医療界側が差し止め申請を却下されたことに言及し、2025年学年度の入学者選考計画の迅速な実施を表明。

韓国政府「研修医、きょう中に現場復帰を」 医療界には対話促す

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は20日、医師不足などの対策として政府が打ち出した大学医学部の入学定員増員に反発して職場を離脱してから3か月がたつ研修医に対し、同日中に現場に復帰するよう呼び掛けた。

 医師の集団行動に関する中央災難(災害)安全対策本部の会議冒頭、曺圭鴻(チョ・ギュホン)保健福祉部長官は「関連法令に基づき、研修医が来年度に専門医資格を取得しようとするのなら、病院を離脱してから3か月となる日までに復帰しなければならない」と述べ、研修医が行動を起こし始めた2月19日に離脱した人の場合は5月20日までに現場に戻る必要があると説明した。同氏は「それぞれの進路に重大な影響を及ぼしかねないため、不利益を受けないよう速やかに病院に戻り、研修に臨んでほしい」と繰り返した。

 同じく定員増員に反対して授業をボイコットしている医学部の学生にも「大切な学びの時間を無駄にせず、学校に戻ってほしい」と促した。

 研修医が抜けた現場で長時間勤務に疲れ、一部で週1回の休診を始めている医学部教授には「一刻を争う患者と家族の心情をおもんぱかり、集団行動を自制してほしい」と呼び掛けた。

 曺氏は「医療界は(医学部定員増に関し)原点からの再検討、全面白紙化などと、国民の目の高さに合わないばかりか実現不可能な条件を掲げるのをやめ、対話に乗り出すべきだ」と求めた。政府としては形式と議題を制限せず、いつでも対話する用意があると強調した。

 また、医療界側が保健福祉部長官と教育部長官を相手取り定員変更などの差し止めを求めた仮処分申請でソウル高裁が先週、即時抗告を却下したことに言及した上で「2025学年度の入学者選考の施行計画を迅速に終える」とした。教育環境の改善にも注力すると表明した。