イスラエル前国防相、6月8日までにガザ統治方針合意なければ政権離脱すると最後通告

AI要約

イスラエルのベニー・ガンツ前国防相がガザの包括的な統治方針を巡り首相に最後通告を行い、戦時内閣が崩壊の危機にある状況が報じられている。

ガンツ氏はネタニヤフ氏に合意すべき事項を提示し、ネタニアフ氏側は反発する一方で、首相府は兵士たちが戦う中での発言を非難している。

戦時内閣はハマスとの戦闘を進めるために樹立されたが、世論調査ではガンツ氏が次の首相にふさわしい人物として支持を集めている。

 【エルサレム=福島利之】イスラエルのベニー・ガンツ前国防相は18日、記者会見を開き、戦闘終結後のパレスチナ自治区ガザの包括的な統治方針について6月8日までに合意しなければ戦時内閣を離脱すると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に最後通告を突き付けた。ネタニヤフ氏側は「空虚な言葉だ」と反発した。ヨアブ・ガラント国防相も15日、戦闘後のガザ統治体制の確立を求めており、戦時内閣は崩壊の危機に直面している。

 ガンツ氏は、ネタニヤフ氏が合意する必要のある事項として6項目を提示した。6項目には欧米やアラブ諸国、パレスチナ人によるガザ統治を目的にした行政機関の設置のほか、人質の帰還、ガザの非武装化などが含まれている。ガンツ氏は「最近、重要な決定が下されていない。選択肢はあなたの手にある」とネタニヤフ氏に決断を求めた。

 これに対し、首相府は「兵士たちがハマスの壊滅のために戦っている時に、ガンツ氏はハマスでなく首相に最後通告を突き付けた」と非難した。

 戦時内閣は昨年10月、イスラム主義組織ハマスとのガザでの戦闘推進のために政治的な対立を棚上げし、中道野党「国民連合」を率いる元軍参謀総長のガンツ氏が加わる形でネタニヤフ氏とガラント氏の3人で樹立された。有力紙マアリブが17日に公表した世論調査では、ガンツ氏は「次の首相」にふさわしい人物として45%の支持を集め、35%のネタニヤフ氏をリードしている。