「ハリス氏とトランプ氏の韓半島政策」専門家対談(2)

AI要約

トランプ氏の発言やハリス氏が執権する際の対北朝鮮政策、アプローチ方法などについて徐氏と朴氏が見解を語る。

民主党と共和党の違いや、韓国に対する影響、同盟強化や半導体、自動車産業への影響についても議論が交わされる。

北朝鮮問題や韓米協力の強化、関税政策など、今後の動向に関する予測が示される。

――トランプ氏は党大会での受諾演説で「同盟国がわが国を利用した。米国で物を売りたければ米国で作らなければならない。そうでなければ100~200%の関税を課して売れないようにする」と話した。ここには韓国も含まれる。これに対する対策は。

徐「報復関税政策に集中するトランプ氏とは違い民主党は補助金と税制優遇など多少柔軟な立場だ。どの政党が政権を取るかによりグリーンエネルギーと電気自動車、バッテリーなど未来産業に及ぼす影響が大きく変わるだろう。参考として、2016年に当選したトランプ氏はカリフォルニア州の環境規制に対して無力化を試みた。しかし訴訟で時間だけ引き延ばされ結局うやむやになった。大統領と議会、2大政党だけでなく州政治と司法システムまで総体的に調べるならば対策準備に役立つだろう」。

――ハリス氏の対北朝鮮政策はトランプ氏と大きく異なる。バイデン政権の基調を受け継いで不確実性はあまりないものとみられる。ハリス氏が執権する場合、対北朝鮮政策はどのように繰り広げられると予想するか。

徐「ハリス氏が執権するならば優先的にはロシアとウクライナの戦争と、イスラエルとハマスの戦争に関心を傾けるだろう。その後に相次いで北朝鮮政策に対するレビューが内部的に行われるだろう。この過程で北朝鮮問題が米国内でどのように、どれだけ政治争点になるのかにより今後の政策方向が変わるかもしれない」。

朴「同じ民主党所属という次元で、大きな枠組みではバイデン政権の対北朝鮮政策を継承する可能性が大きい」。

――金正恩氏に対するアプローチ方式もトランプ氏と違うようだ。ハリス氏は「独裁者の機嫌を取らないだろう」と話した。トップダウン方式の交渉に対しても批判的だ。ハリス氏と金正恩氏との関係はどのように設定されると予想するか。

徐「民主党の大統領候補は外国の独裁者と会うかという質問を多く受けてきた。これは民主主義守護と独裁反対という民主党の理念的指向と大統領としての外交リーダーシップ間のジレンマをどのように解いていくのかに対する質問でもある。オバマ氏とヒラリー氏はいずれも独裁者と会うと答えたことがある。だがハリス氏は海外の独裁者、特に金正恩氏を取り上げながらトランプ氏を応援する金正恩氏の機嫌を取らないと公言した。女性候補として軍事・安全保障問題に強い面がある点を前面に出し国際関係解決策においてトランプ氏と対称点にあるということを見せるという意図だ」。

――ハリス氏が執権する場合、北朝鮮の対米政策はどのように展開するだろうか。バイデン政権の基調がそのまま維持されると考えるのか。そうでなければ北朝鮮が新たな突破口を模索するだろうか。

徐「北朝鮮の場合、ひとまず核能力の高度化とICBM完成が最大の関心事だ。これを完全に達成するまで米国と会うことに熱意が見られないだろう。したがって韓国政府は米国との同盟強化による拡大抑止戦略をさらに現実的なものにすることに努力を傾けなければならない」。

朴「ハリス氏が勝利するならば北朝鮮の対米政策は現在と同じ基調をそのまま維持する可能性が大きい。北朝鮮が先に動く可能性はとても小さい」。

◇民主党は補助金と税制優遇でやや柔軟

――米国の韓国に対する拡大抑止、防衛費分担、在韓米軍などに関連した政策は変化がないと考えるか。

徐「拡大抑止と関連しては北朝鮮の核に対する韓米共助をどこまで引き上げるのかが重要だ。核共有に否定的な米国を圧迫するためにも韓米核協議グループ(NCG)方式の核共同対応戦略をさらに精巧に作る必要がある。防衛費分担金と関連してはトランプ氏ほどではなくても持続的な増額を要求する可能性が大きい。在韓米軍の地位と関連した変化は少なくともハリス政権の下ではまったくないものとみられる」。

朴「ハリス氏が当選する場合、拡大抑止、防衛費分担金、在韓米軍などに関連した政策で大きな変化はないだろう」。

――ハリス氏は同盟に対する認識もトランプ氏と異なる。韓米日3カ国協力がさらに強化されると予想されるが。

徐「バイデン時代に強調され始めた格子型同盟方式、あるいは少多国間主義がさらに活性化するだろう。なぜならこれは米国主導のリーダーシップを確実に維持しながらも民主党が伝統的に好んできた一種の多国間主義的アプローチを加味した方式であるためだ。韓国政府は実用的な参加の立場に対してあらかじめ検討し先制的に対応しなければならない」。

朴「韓米日協力強化が維持されるだろう。中国を牽制するインド太平洋戦略がバイデン政権で強調されただけに、この戦略の成功条件のひとつである韓米日協力が今後も重視されるだろう」。

――半導体、自動車、関税などと関連して韓国企業に及ぼす影響は。

朴「だれが大統領になろうが韓国企業には否定的な影響が及ぶだろう。半導体の場合、世界的に産業全般と連動された側面が強く、米国だけでなくグローバルマーケット全体に対する戦略と考慮が必要だ。自動車産業は米国が持っている独特の感情がある。労働者の立場を積極的に考慮する民主党の伝統を考慮すると韓国経済に及ぼす影響は多少あるものとみられる。関税の場合、ハリス氏もトランプ氏も似た政策を採択すると予想される」。