コリアゲート事件の朴東宣氏が死去 日本政府に頼まれ日本擁護の対米ロビー活動にかかわったことも ソウルからヨボセヨ

AI要約

1970年代の中ごろ、米議会を揺るがせた「コリアゲート事件」の主人公、朴東宣(パク・ドンソン)氏が19日、ソウルで亡くなった。89歳だった。対韓援助を獲得するためのロビー活動を行い、選挙資金を不法に提供された議員ら多数が起訴された。

生前、昼食を共にしながら2時間以上、昔話を聞いたことがあるが、日本との意外な縁が印象に残る。

事務所の玄関には大平正芳元首相の揮毫(きごう)が飾ってあり、とくに安倍晋三元首相の父で早死にした安倍晋太郎元外相を「総理をさせてみたかった人物」と懐かしんでいた。日米貿易摩擦で米国の日本批判が高まっていたころ、日本政府に頼まれて日本擁護の対米ロビー活動にもかかわったと語っていた。

コリアゲート事件の朴東宣氏が死去 日本政府に頼まれ日本擁護の対米ロビー活動にかかわったことも ソウルからヨボセヨ

1970年代の中ごろ、米議会を揺るがせた「コリアゲート事件」の主人公、朴東宣(パク・ドンソン)氏が19日、ソウルで亡くなった。89歳だった。対韓援助を獲得するためのロビー活動を行い、選挙資金を不法に提供された議員ら多数が起訴された。カーター大統領時代の米韓関係悪化の原因にもなった。

生前、昼食を共にしながら2時間以上、昔話を聞いたことがあるが、日本との意外な縁が印象に残る。

事務所の玄関には大平正芳元首相の揮毫(きごう)が飾ってあり、とくに安倍晋三元首相の父で早死にした安倍晋太郎元外相を「総理をさせてみたかった人物」と懐かしんでいた。日米貿易摩擦で米国の日本批判が高まっていたころ、日本政府に頼まれて日本擁護の対米ロビー活動にもかかわったと語っていた。

こう書くと、どこかうさん臭い〝政界黒幕〟みたいなイメージになるが、会ってみると実に知的でソフトな魅力的老紳士だった。

日本統治時代の北朝鮮生まれ。父は平壌で自動車関連の会社を営み、解放後は韓国に逃れガソリンスタンド経営で財をなしたというから坊ちゃん育ちだ。60年代に名門の米ジョージタウン大に留学し有力者の間に人脈を築いた。晩年は韓国茶道に入れ込んでいたが、韓国が生んだ〝国際人〟の草分けだった。

(黒田勝弘)