ヒズボラ指導者「レッドライン越えた」とイスラエル非難 イラン革命防衛隊も呼応

AI要約

レバノンのヒズボラ指導者がイスラエルを非難し、小型の無線通信機器が爆発した事件を報じた。

ヒズボラは報復を示唆し、イランも「壊滅的な報復」を示唆している。

イスラエルとヒズボラの対立が緊迫し、戦闘の広域化への懸念が高まっている。

【テルアビブ=佐藤貴生】レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを率いるナスララ師は19日、テレビを通じて演説し、国内各地で2日続けて小型の無線通信機器が一斉に爆発した事件に触れ、イスラエルは「すべてのレッドライン(越えてはならない一線)を越えた」と述べて非難した。

ヒズボラは攻撃にはイスラエルが関与したとして、すでに報復する方針を示している。

ロイター通信によると、イラン革命防衛隊のサラミ司令官はナスララ師に対し、イランや連携する各地の民兵組織で構成する「抵抗の枢軸」が、「壊滅的な報復」をイスラエルに行うと述べた。中東の戦闘の広域化に懸念が強まっている。

ナスララ師の演説放映中には、イスラエルの戦闘機がレバノンの首都ベイルート上空を轟音(ごうおん)を立てて飛行した。ヒズボラに対する挑発行動とみられる。また、イスラエル軍はこの日、レバノン南部一帯を数十回にわたり爆撃するなど激しく攻撃した。

ナスララ師は演説で、レバノンの歴史上例がないほどの大規模攻撃を受けたとし、「戦争犯罪か宣戦布告と考えられる」と述べた。組織としてのヒズボラは維持できるとした。

レバノンでは17、18の両日、ヒズボラ戦闘員らが使っていたポケットベル(ポケベル)やトランシーバーが各地で相次いで爆発し、ロイター通信によると民間人を含む37人が死亡、約3000人が負傷した。