恐竜中国造船会社誕生するのに…韓国の造船業は人材難

AI要約

中国政府が、国営造船所の合併を推進し、造船業界の覇権を目指している。中国の造船業界が急速に成長し、高付加価値船舶市場で存在感を示している一方、韓国の造船業界は人材不足や技術力の格差に悩まされている。

合併を通じて誕生する新しい国営造船会社は世界市場の3分の1を占め、中国の造船業界は世界の船舶発注量の60%以上を独占している。中国は高付加価値船舶の受注も拡大し、親環境船舶市場でのシェアを増やす方針だ。

一方、韓国の造船業界は専門人材の不足やリストラによる人材流出などの課題を抱えており、今後も労働力不足が深刻化する可能性がある。技術力の格差を埋め、高付加価値船舶市場で競争力を維持する必要がある。

恐竜中国造船会社誕生するのに…韓国の造船業は人材難

中国1~2位の国営造船所が合併を推進するなど中国政府が「造船崛起」にスピードを出している。事実上受注を独占するコンテナ船だけでなく、最近では親環境船舶市場でも存在感を拡大しているところだ。中国の激しい疾走に韓国の造船業界の悩みも深まっている。

中国経済専門メディアの財新は2日、中国1位の国営造船会社中国船舶工業グループ(CSSC)と2位の中国船舶重工業グループ(CSIC)が吸収合併を推進中だと報道した。合併により誕生する新しい国営造船会社は受注残高基準で世界の造船市場の3分の1を占めるほど巨大な規模を誇る。年間営業利益は1000億元(約2兆円)に達する。

両社は今回の合併を通じて経営陣を簡素化し、受注競争を減らして経営効率性を高める方針だ。

現在、中国の造船業界は世界の船舶発注量の60%以上を占め独走している。英国の造船・海運分析機関であるクラークソンによると、上半期の世界発注量は3322万CGT(標準貨物船換算トン数)と集計された。中国は全発注量の66.1%である2197万CGTを受注したが、韓国は21.5%である715万CGTの受注にとどまった。2002年だけでもシェアが8%にすぎなかった中国の船舶生産量が爆発的に増えたのだ。

10年前には中国造船業界はそれほど高い技術力を求められないばら積み船を中心にタンカー、コンテナ船などを受注した。韓国より低い価格を前面に出し低価格受注で仕事量を確保した。だが最近では雰囲気が変わった。中国造船業界は政府の支援を受け高付加価値船舶受注にも積極的に乗り出している。液化天然ガス(LNG)運搬船基準で2021年に8%水準だった中国の受注シェアは2022年には30%まで上がった。船舶発注もやはり中国の海運会社中心から最近では世界的海運会社に拡大するなど競争力を拡大している。

ここに中国政府もやはり2025年まで世界の親環境船舶の50%以上を生産するという目標を盛り込んだ「親環境船舶市場先取り戦略」を出している。

急速に成長する中国の造船業界と違い韓国の造船業界は悩みが深い。造船業のスーパーサイクルで3年分の仕事量を確保しているが、専門人材を確保できずにいるためだ。造船業界関係者は「韓国の造船業界が高い船舶を選別して受注しているというが、内幕を調べれば船を作れる熟練工が不足するため積極的に受注できない状況」と話した。

不足する人材はほとんどが期間制・外国人労働者で埋め合わされている。ほとんどが短期間の教育を受けて生産現場に投入されるため熟練工より生産性が落ちるという。

根本的な問題は造船所を離れた熟練工が帰ってこない点だ。彼らは造船業不況によりリストラが進む時期に造船所を大挙離れた。現在造船業界が彼を呼び戻そうとしているが不如意な状況だ。相当数は原発や半導体工場の建設現場ですでに働いている上に、リストラに対する背信感からすんなりとは復帰しないという。

今後労働力難がさらに深まるという見通しも出ている。韓国造船海洋プラント協会は造船業界人材の不足が今年から年平均1万2000人以上発生すると予想した。2027年からは約13万人の人材がさらに必要だと予想した。

韓国輸出入銀行海外経済研究所のヤン・ジョンソ首席研究員は「技術力で中国との格差をさらに拡大し、親環境船舶など高付加価値船舶市場で優位を守っていかなければならない」と話した。