節約志向強まる中国に商機 日本の飲食店が出店攻勢…天ぷらや回転すし店、焼き肉丼も
中国の消費低迷に日本企業が出店攻勢を強めている。
日本食レストランが人気を集める理由や低価格の重要性が取材された。
スシロー、えびのや、肉のヤマ牛など、様々な日本ブランドが中国市場で展開を加速させている。
食品の物価高騰などで消費が低迷している中国で今、日本企業が出店攻勢を強めている。中国での事業を加速させる背景を取材した。
上海中心部に出店して1周年となる、大阪の企業が展開する「天麩羅 えびのや」。揚げたての天丼は中国の人にも大好評のようだ。
取材したのはランチタイム。80席が満席という盛況ぶりだった。
厨房(ちゅうぼう)をのぞくと、本格的に調理される天ぷら。人気はエビが2本とイカ、白身魚などが入った海老二本丼で、お値段は日本円でおよそ1000円。なぜ、天丼が人気になっているのか。
上海フジオフード副総経理 謝民さん
「多くの中国の人が日本に旅行に行って、(日本で食べた)天丼の味を覚えていて。上海に戻ってきたら、全く日本と同じ味(に喜ぶ)」
人気なのは味だけではない。
来店客
「リーズナブルだと思います。このあたり(繁華街)は割と高いから、このような値段はうれしいです」
経済が停滞し、節約志向が高まっているという中国では、値段の安さも大きな魅力のようだ。
低価格路線を打ち出し、新規の出店も相次いでいる。回転寿司チェーンのスシローは先月、北京1号店をオープンさせた。
開店初日には600組以上が来店、一時は10時間待ちの行列もできたという人気ぶり。
来店客
「(Q.マグロをたくさん注文しましたね。マグロは好きですか?)はい、マグロは北京では高いです」
一番人気はマグロで、日本円で1皿およそ200円だ。
F&LC 荒谷和男執行役員
「(Q.こだわりは?)おいしいものをより安くというか。この価格で、こんなにおいしいのかと思われるような。おすしに対するおいしさですね」
新規の出店は上海でも…。
1日に上海に1号店をオープンしたのは、肉のヤマ牛。手掛けるのは、丸亀製麺などを展開するトリドール・ホールディングスだ。
かつて、丸亀製麺を中国本土でおよそ50店舗まで広げるも、新型コロナの影響で2年前に閉鎖。中国市場への再挑戦となる。
その手段に選んだのが丼だった。炭火仕上げの牛カルビ焼き肉丼(日本円でおよそ500円)が看板商品だ。
日本で培った経験やノウハウを生かし、低価格で攻勢をかける。
トリドールHD 杉山孝史副社長
「今の中国での消費ニーズにしっかり合った形で展開することで大きな展開を目指していきたい」