北朝鮮、ウラン濃縮施設を視察する金正恩氏の画像公開

AI要約

北朝鮮国営の朝鮮中央通信が金正恩総書記の新たな画像を公開し、核兵器プログラムの内部が垣間見える極めて珍しい画像であることが報じられた。

金氏は兵器級核物質の生産に使用されているウラン濃縮施設を視察し、北朝鮮の核兵器プログラムの増強を続けており、ロシアとの関係強化による懸念が広がっている。

公開された画像からは、金氏の自信を深める北朝鮮の核大国姿が浮き彫りにされ、高濃縮ウランの生産施設を見せることで核国家としての位置づけを強調している。これにより非核化は現実的ではないと示唆されている。

北朝鮮、ウラン濃縮施設を視察する金正恩氏の画像公開

ソウル(CNN) 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は13日、 同国の金正恩(キムジョンウン)総書記の新たな画像を公開した。ウラン濃縮施設を視察した際のものとされ、厳重に守られた北朝鮮の核兵器プログラムの内部が垣間見える極めて珍しい画像となっている。

KCNAによると、金氏が訪れた円筒状の機械がずらりと並んだ施設は兵器級核物質の生産に使用されている。北朝鮮は違法な核兵器プログラムの増強を続けている。ロシアとの関係も強化され、西側諸国の間では金氏の下で北朝鮮が今後どのような方向へ進むのかについて懸念が広がっている。

金氏が視察した場所と正確な日付は報道されていない。しかしKCNAによればその目的は明白で、「兵器級核物質の増産に向けた長期プラン」を確認することだという。

画像の中で、金氏の周囲には軍服と研究用の白いシャツを着た複数の男性がいる。画像は核大国として自信を深める北朝鮮の姿を浮き彫りにすると、複数の専門家が指摘する。

ウラン濃縮施設と思われる施設を視察中、金氏は北朝鮮の核部門の技術力に対して満足げな表情を浮かべ、核物質増産のために遠心分離機の数を増やす必要があると強調したという。国営メディアが報じた。

ソウルの梨花女子大学校で北朝鮮研究を専門とするパク・ウォンゴン教授は、画像公開のタイミングも重要だと指摘。CNNの取材に答え、高濃縮ウランの生産施設を見せることで世界に対し、北朝鮮を核国家と認識しなくてはならないとのメッセージを送る狙いがあると分析した。

「これらの施設の公開を通じ、金正恩氏は北朝鮮の非核化が現実的なものではないと明言している」(パク氏)

北朝鮮と西側諸国の間では現在緊張が高まっている。米国とその同盟国は、北朝鮮からロシアへの実質的な軍事援助を非難。これによりロシアがウクライナでの戦争を遂行しているとの見方を示す。

北朝鮮とロシアの両政府は前者による武器の輸出を否定しているが、この件については重要な証拠が浮上している。

画像の施設が既に国際査察団によって知られた北西部・寧辺(ヨンビョン)などの核研究センターなのか、それとも全く新しい施設なのかは不明。北朝鮮はウラン濃縮のための施設を複数所有しているとみられている。