「株価操作の金主」有罪に、韓国野党「今度は尹大統領夫人の番…特検で平等実現する」

AI要約

ドイツモーターズの株価操作事件でS被告が有罪判決を受けたことで、尹錫悦大統領夫人のキム・ゴンヒ女史も幇助容疑が高まった。キム女史が株価操作に関与し、主導者と犯行を共にした可能性が浮上。

キム女史はL被告を通じて株価操作を行い、取引の異常性や特殊な関係が明らかになりつつある。検察は関連者との取り引きや情況を捜査中。

S被告に続き、キム女史にも株価操作幇助容疑が認められる可能性が高まり、検察の捜査が進む中、野党は厳正な法の下の適用を要求している。

 ドイツモーターズの株価操作控訴審裁判所が12日、「金主」(資金提供者)の役割を果たしたS被告の幇助容疑について有罪を言い渡したことで、株価操作過程で類似した行動を見せた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人のキム・ゴンヒ女史にも少なくとも幇助容疑が適用される可能性が高くなった。野党は依然として検察がキム女史をかばう処分をする可能性があるとして、特検による捜査を求めた。

 ソウル中央地検・反腐敗捜査2部(チェ・ジェフン部長)は7月20日、ソウル鍾路区昌成洞(チョンノグ・チャンソンドン)でキム女史に対する「出張聴取」を行って以来、2カ月間処分を下していない。ドイツモーターズの株価操作事件の事実関係が確定する控訴審判決を踏まえてから、キム女史の処分を決めると予想された。そして1審に続き、この日の控訴審でもドイツモーターズの株価操作事件は実体のある犯罪という事実が確認された。キム女史の口座取引で相場操作が発生した点も1・2審ともに認めており、キム女史が「一味」と株価操作に関連したコミュニケーションを取ったとすれば共犯、少なくとも一味が相場操作行為をしたという事実を認知していたとすれば幇助犯になる。ある検察出身の弁護士は「キム女史の場合は相場操作に向けた取引が多く、取引の形が極めて異常であるため、幇助の容疑が認められる可能性が非常に高い。共同正犯の可能性についても検察が争える状況」だと説明した。

 キム女史側は1回目の株価操作(2010年10月20日以前)の主導者であるL被告に口座を一任したと主張したが、直接電話やホームトレーディングシステム(HTS)を通じて本人が取り引きしたことを裏付ける証拠が公判過程で多数公開された。その上、キム女史は本人だけでなく母親のチェ・ウンスン氏もドイツモーターズのクォン・オス前会長と長年の知り合いで、金銭取引をするなど交流を続けてきた。キム女史が主導者のL被告と知り合ったのも、クォン前会長を通じてだった。

 相場操作幇助の容疑が認められるには、相場操作を行うという事実を知ったうえで、正犯(犯罪行為を直接実行した者)の犯行を容易にする行為をしたという点を立証しなければならない。裁判所は同日、最高裁(大法院)の判例を引用し「幇助犯においては『正犯の故意』(主犯が株価操作をしているということを知った)という未必的認識で十分だ」と説明した。キム女史も数回にわたって直接取引を行っており、クォン前会長と特殊な関係だったため、彼らの株価操作の事実を認識していた可能性が高い。

 裁判部はこの日、S被告に有罪を言い渡し、S被告が他の被告人とやりとりしたショートメールで「K氏(2次株価操作の主導者)の要請でドイツモーターズの株を大量に買収し、上限値を記録した」とし、▽資金事情が厳しい時に他の被告から助けを受けた情況▽ドイツモーターズの投資パターンが違った点などを取り上げた。検察はキム女史の場合にも他の被告人たちとやりとりした連絡があったのか、金の取り引きなど特殊な関係を結んでいたのか、ドイツモーターズと他の銘柄間の投資パターンに違いがあるのかについて捜査しなければならない状況になった。検察はクォン前会長に借名口座を提供したチェ・ウンスン氏も7日になってようやく呼び出し、取り調べを行った。

 野党は「今度はキム・ゴンヒ女史が法の審判を受ける番」だとして、「キム・ゴンヒ特検法」を国会で通過させる必要性を強調した。最大野党「共に民主党」のチョ・スンレ首席報道担当はブリーフィングで、「S被告に株価操作幇助の疑惑が認められるなら、この事件の金主だったキム女史も例外ではない。検察は直ちにキム女史を呼んで取り調べたうえで起訴すべきだ」とし、「特検を含むすべての手段を使って『法の下の平等』を実現する」と述べた。祖国革新党のキム・ボヒョ首席報道担当も「大統領室はこれまで『口座が活用されただけ』という厚顔無恥の対応を貫いてきたが、資金を提供した人が幇助罪で処罰を受ける根拠が明確になった今はどんな詭弁を並べるだろうか。検察はまた、どんな奇怪な法論理でくぐり抜けようとするだろうか」としたうえで、「国会は検察の判断とは別に『キム・ゴンヒ総合特検法』を速やかに可決すべきだ」と語った。

チョン・ヘミン、コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )