AIブームでNAND市場が再成長…サムスン・SK、新製品で対抗

AI要約

NANDとSSDの主導権争いが激しさを増している。

サムスン電子が容量1TbのQLC第9世代垂直型NANDの量産に成功し、SSD市場で影響力を強化している。

SKハイニックスも高性能SSDの開発を通じて競争力を高め、AIメモリ供給者の地位を目指している。

AIブームでNAND市場が再成長…サムスン・SK、新製品で対抗

◇NANDとSSDの主導権争い

AI(人工知能)時代で処理しなければならないデータ量が急増し、NAND型フラッシュメモリ半導体の需要が蘇ったことを受け、サムスン電子とSKハイニックス間の次世代製品競争も激しくなっている。

サムスン電子は12日、業界で初めて容量1Tb(テラビット)のQLC(クアッドレベルセル)第9世代垂直型NANDの量産に成功したと発表した。4月に初めてTLC(トリプルレベルセル)基盤のNANDを量産してから4カ月後のことだ。

NAND型フラッシュメモリは、電源が切れてもデータが消えない不揮発性メモリ半導体だ。一般的にDRAMがメインメモリー、NANDが補助メモリとして使われ、USBやSDカードが一種のNANDだ。NANDは、データ保存単位のセル1個に何ビットを入れるかによって、QLC(4個)、TLC(3個)、MLC(2個)、SLC(1個)に分けられる。ビット数が増えるほどさらに多くの容量を集積できるため、サムスン電子やSKハイニックスなどはQLC方式のNAND量産に集中する傾向にある。

サムスンが開発したNANDは、データセンター用の大容量SSD(ソリッドステートドライブ)を作るのに使われる。SSDはNANDを複数搭載し、大容量データを保存する。特に新製品はモールド層を順に積み上げ、一度に電子が移動するホールを作る「チャンネルホールエッチング」技術を活用し、工程を2回行う「ダブルスタック」構造で作られた。サムスン電子は「業界最高段数を実現した」としたが、業界によるとこの製品は290段台だという。

NANDはセル駆動回路領域のペリフェラル(ペリ)の上に積む方式だが、サムスン電子によると、この製品はセルとペリの面積を最小化し、以前の製品よりビット密度(単位面積当たり保存されるビット数)を86%高めた。データ保存性能は以前より20%上がり、書き込み性能は100%、データ転送速度は60%向上した。低電力設計技術でデータ読み取りと書き込み消費電力も約30%、50%減らした。

高帯域幅メモリー(HBM)でSKハイニックスに主導権を奪われたサムスンは、新しい技術と製品を引き続き発売し、SSD市場で影響力を拡大していくという戦略だ。SKハイニックスも9世代VNAND技術があるが、工程をさらに経るトリプルスタック構造で知られている。4-6月期基準のサムスン電子のNAND市場シェアは36.9%で、SKハイニックス(ソリダイムを含めて22.1%)をリードしている。

SKハイニックスはHBMに続き、SSDでも市場リーダーシップを強化するという戦略だ。前日(11日)、SKハイニックスは性能を以前より2倍、電力効率を30%引き上げたデータセンター用高性能SSD(PEB110)を開発し、来年4-6月期から量産すると発表した。新製品は帯域幅が従来に比べ2倍広くなった最新インターフェース(PCIe5世代)規格を適用した。

SKハイニックスは「最高性能が立証された238段4Dを基盤に開発され、原価と性能品質の側面で業界最高水準の競争力を確保した」とし、「データセンター用SSD市場でグローバル1位のAIメモリ供給者の地位を強固にするだろう」と述べた。

NANDはDRAMに比べて相対的に注目されなかった。しかし、AIサーバーに使う企業向けSSD需要の増加に支えられ、NAND市場が再び好況期を迎えている。トレンドフォースによると、今年4-6月期のグローバルNAND総売上は約167億9700万ドル(約2兆3780億円)で、前四半期より14.2%増加した。