豪カジノで大負け、踏み倒し逃走 シンガポール人男性に36億円の支払い命令

AI要約

シンガポール人男性がオーストラリアのカジノで36億円の巨額負けを踏み倒し、裁判で支払いを命じられる。

カジノへの支払いを避けるために出国し、シンガポールでの法的手続きも退けられる。

カードの配り方をめぐり約束の有無が争われるが、最終的に裁判所は支払いを命じる判断を下す。

豪カジノで大負け、踏み倒し逃走 シンガポール人男性に36億円の支払い命令

(CNN) オーストラリア東部クイーンズランド州のカジノで大負けした金額を踏み倒したシンガポール人の男性に、同州最高裁が9日、3800万豪ドル(約36億円)の支払いを命じた。

法廷文書によると、シンガポール人のウォン・ユーチョイ氏は2018年7月26日から同8月2日の間に、同州のカジノ「ザ・スター・ゴールドコースト」で大負けした。その金額は4730万豪ドルに及んだ。

ウォン氏はそのまま出国したため、カジノ側は同氏が前年、姉妹店「ザ・スター・シドニー」に渡していた空白の小切手を使って請求額を回収しようとした。ところがウォン氏は銀行に、同カジノからの小切手を換金しないよう指示した。

カジノはさらに19年、シンガポールで同氏を訴えたが、同国ではギャンブルによる借金の回収が事実上禁じられているため、訴えは退けられた。

この訴訟によると、ウォン氏は当時、28人ほどのグループを率いてザ・スターのカジノによく通っていた。カジノ側がフライトや特別室を用意していたという。

ウォン氏は裁判で、請求額を支払う必要がないと主張した。同氏の供述によると、カードの配り方をめぐりスタッフらを注意していったんゲームを打ち切ったところ、ザ・スターの最高執行責任者(COO)から口頭で、同氏のそれまでの負けは帳消しにし、その後もスタッフがミスを重ねた場合は負けても請求しないとの申し出があったという。COOはこの約束を否定している。

裁判ではCOOがウォン氏に宛てた謝罪の手紙も提出されたが、帳消しの約束には言及していなかった。判事は、ウォン氏の主張する約束には裏付けがないとの判断を下した。