米軍と中国軍の司令官が電話協議 南シナ海情勢など話し合ったか

AI要約

中国国防省は、南部戦区司令官とパパロ米インド太平洋軍司令官のビデオ通話協議を発表し、米中首脳会談での意思疎通合意に基づいている。

中国南部戦区と米国太平洋軍は南シナ海情勢を議論した可能性がある。両国は対立する問題を回避するために継続的な意思疎通を図っている。

米中は約1年半ぶりの国防相会談も実施し、事態の不測性を回避するための取り組みを進めている。

米軍と中国軍の司令官が電話協議 南シナ海情勢など話し合ったか

 中国国防省は10日、中国の呉亜男・南部戦区司令官とパパロ米インド太平洋軍司令官が同日、ビデオ通話方式で協議したと発表した。双方は「ともに関心のある問題について意見を交わした」としている。

 発表によると、今回の協議は、昨年11月の米中首脳会談で国防当局者どうしの意思疎通を進めるとした合意に基づくもの。8月末にサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が訪中した際にも、米中は司令官レベルの協議開催を確認していた。

 南部戦区は広東省に司令部を置き、南シナ海も管轄する。中国側の発表で具体的な説明はなかったが、フィリピンと中国との間で緊張が高まっている南シナ海情勢が議題に上った可能性がある。

 米中両国は、台湾や南シナ海をめぐって対立しているが、不測の事態を回避するために意思疎通を続けることでは一致しており、5月末には約1年半ぶりの国防相会談も実施した。(北京=畑宗太郎)