エジプトのシーシー大統領がトルコを初訪問 エルドアン氏との首脳会談でガザ情勢など協議

AI要約

エジプトのシーシー大統領がトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談した。両国はイスラム原理主義組織ハマスとガザでの戦闘、エネルギーや防衛、財政などの協力強化を協議し、18の覚書に調印した。

エルドアン氏は、シーシー氏をガザへの人道支援や停戦仲介で称賛し、ハマスをテロ組織とは見なさない立場を示した。一方、シーシー氏とイスラエルのガザ攻撃に対する非難もあった。

シーシー氏は過去にクーデターで政権を掌握し、イスラム教の価値観を重視するエルドアン氏とは対立してきたが、改善した両国関係に期待が寄せられている。

エジプトのシーシー大統領がトルコを初訪問 エルドアン氏との首脳会談でガザ情勢など協議

【カイロ=佐藤貴生】エジプトのシーシー大統領は4日、トルコの首都アンカラを訪問し、エルドアン大統領と会談した。シーシー氏のトルコ訪問は、2014年の大統領就任後、初めて。会談ではイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルのパレスチナ自治区ガザでの戦闘などを協議した。また、両国はエネルギーや防衛、財政などの協力強化を掲げる18の覚書に調印した。シーシー氏のクーデターによる政権掌握を巡り冷え込んでいた両国関係は、改善を印象付けた。

共同記者会見でエルドアン氏は、エジプトについて、ガザへの人道支援物資の搬入や停戦の仲介に努めているとして称賛した。エルドアン氏はハマスはテロ組織ではないと主張し、ガザへの攻撃を続けるイスラエルとの関係が冷え込んでいる。シーシー氏もイスラエルのガザ攻撃は「自衛権の範囲を逸脱している」などと批判してきた。

シーシー氏はエジプトの国防相だった13年、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」出身のモルシー大統領を拘束して憲法を停止し、政権を崩壊させた。イスラム教の価値観を重視するエルドアン氏はこれに反発していた。