ストリーミング業界でネットフリックスだけ株価が上昇するのはなぜか?(海外)

AI要約

ネットフリックスの株価が急激に上昇し、競合他社を凌駕している理由について解説。

広告の強さや加入者の安定的な成長に支えられ、投資家から支持を受けている。

ネットフリックスはライブスポーツの拡大や価格値上げによる収益増加を見込み、今後の成長が期待されている。

ストリーミング業界でネットフリックスだけ株価が上昇するのはなぜか?(海外)

ネットフリックスの株価が先日、パンデミック以来で初めて最高値となった。

競合他社が苦戦する中、同社の株価は上昇している。

同社は、広告の強さと加入者の安定的な成長によって、投資家から支持を得ている。

ストリーミング市場は群雄割拠だが、投資家は勝者をネットフリックス(Netflix)とみている。

同社の株価は8月20日、同社の史上最高値となる698.54ドルとなった。9月2日の時点では700ドルを超え、上昇を続けている。2022年のパンデミック時に最大で75%以上暴落したが、2024年初から50%増と大きく回復した。

一方、ストリーミングサービスを運営する他のメディア企業については、利益を上げることに苦労しており、投資家たちは離れている。パラマウント(Paramount)とワーナー・ブラザース(Warner Bros.)の株価は2024年初からそれぞれ27%、33%下落しており、ディズニー(Disney)は同じ水準を維持している。

ではなぜ、投資家はネットフリックスの株価を押し上げているのだろうか。

8月20日の上昇のきっかけは、同社が広告の売上げについて引き続き成長がみられるとブログで発表したことだ。事前支払いの広告の売上げが、2023年比で150%増加したという。

これらは、『ブリジャートン家』、『イカゲーム』、『エミリー、パリへ行く』など、期待の高いシリーズの新シーズンが始まることと、クリスマスに行われるNFLの試合によるものだという。

ネットフリックスは5月、NFLと3年契約を発表し、2024年はクリスマスに2試合と、2025年、2026年のホリデーシーズンに1試合以上を放送する。

広告主からの強い需要に加え、ネットフリックスのライブスポーツの拡大は、サブスクリプション価格の値上げを正当化する価値を与える可能性があるとアナリストは話している。

「NFLへの進出(年間コンテンツの支出のわずか2%未満のコスト)は、第4四半期の加入者増加の大きな要因で、ネットフリックスのパスワード共有取り締まりへの追い風となり、値上げを後押しするだろう」と、ジェフェリーズ(Jefferies)のアナリストであるジェームズ・ヒーニー(James Heaney)は顧客向けのメモで述べた。

さらに8月初め、ディズニーはディズニープラス、フールー(Hulu)はESPN+のサブスクリプションについて、今秋値上げする計画を発表した。ネットフリックスもそれに続く可能性がある。どちらもネットフリックスの値上げを顧客が正当化するのを助けるだろうと、ヒーニーは述べている。

株価は安定的に上昇している。7月には、7月18日に第2四半期の業績発表をした後、10%近く上昇した。

第2四半期の報告書によると、加入者の増加は予測を上回り、パスワード共有の取り締まりがあるなかでも、同期間で新規加入者が800万人以上となった。同期間の収益は、17%増だった。

アナリストは、他のストリーミング企業が成長よりも利益を重視し、競争が穏やかになった結果、同社の株価が成長しているとみている。

「ここ1年で、さまざまなサービスや企業がコスト構造に重点をおき、コンテンツのライセンス供与や既存市場への強化に回帰する動きが見られ、ストリーミングの戦いが正常化してきた」とゴールドマン・サックスのアナリストは、ネットフリックスの業績発表前に述べた。