《ブラジル》子供もクレーンゲーム詐欺被害=取れないように機械を改造

AI要約

リオ州警察が、クレーンゲーム機を改造して景品の獲得を困難にする詐欺行為を摘発した。

捜査では偽造ぬいぐるみや電子機器が押収され、犯罪組織の全体像が明らかになりつつある。

捜査は消費者詐欺や資金洗浄疑いといったさまざまな重大犯罪に発展する可能性がある。

《ブラジル》子供もクレーンゲーム詐欺被害=取れないように機械を改造

 子供すら詐欺のターゲットに――クレーンを操って景品を獲得する遊戯機「クレーンゲーム機」に改造を加え、景品の獲得を意図的に困難にするように仕組んだ詐欺行為を、リオ州警察は摘発した。捜査では、偽造ぬいぐるみが発見された他、携帯電話やパソコンなども押収された。犯罪組織の全体像を解明する捜査により、消費者詐欺や犯罪組織への加担、資金洗浄の疑いでも告訴される可能性が出てきたと28日付G1が報じた。

 ブラック・エンターテインメント社とロンドン・アドベンチャー社がリオ州内の複数のショッピングセンター内に設置したゲーム機に、商標登録されたキャラクターの偽造ぬいぐるみを使用しているとの通報を受けて捜査は開始された。

 今年5月に「マンス・レーヴェス(Mãos Leves、巧妙な手口)摘発作戦」の第1段階が始まり、機械と大量のぬいぐるみが押収された。捜査の過程で、犯罪学研究所の専門家によるゲーム機の検査が行われ、操作システムが改造されていることが分かった。

 詐欺の手口については、各機械に不正な装置が取り付けられ、これが景品を掴むアームを駆動する電流に干渉する仕組みとなっていた。具体的には特定の試行回数に達するまでアームの力を弱めるように設定されており、その結果、景品の獲得が困難になるように仕向けられていた。

 そのため、ほとんどのプレイヤーは景品を獲得できずに金銭を費やし、その失敗は自分のスキル不足だと信じ込まされていた。

 また、捜査対象者の1人がスロットマシンや違法賭博に関連するギャンブル行為で過去に調査されていたことも判明した。

 同作戦の第2段階が開始された今月28日には、19件の捜索・押収令状が執行され、リオ市北部イニャウマ地区にあるブラック・エンターテインメント社の倉庫に捜査の手が入った。改造された機械や海賊版のぬいぐるみ数百個に加え、携帯電話、パソコン、タブレット端末、書類などが押収された。

 これらを分析して犯罪グループを解明し、他の関与者がいないかが捜査される。対象者は賭博罪だけでなく、大衆経済や消費者保護に対する不正行為、知的財産権の侵害、犯罪組織への参加で起訴される可能性がある。さらに、資金洗浄の疑いでも捜査が行われている。