外国人嫌悪で南アのミスコン辞退、ナイジェリアで再挑戦の大学生

AI要約

南アフリカでの外国人嫌悪と中傷によりミスコンテスト出場を辞退した女性が、ミス・ユニバースのナイジェリア代表に選ばれる可能性がある。

主催者が救いの手を差し伸べ、女王候補たちも新たな仲間を歓迎している。

被差別者の気持ちを理解し、団結を望む声が上がっている。

外国人嫌悪で南アのミスコン辞退、ナイジェリアで再挑戦の大学生

【AFP=時事】南アフリカで激しい外国人嫌悪と中傷によってミスコンテストの出場辞退を余儀なくされた女性が今週、ミス・ユニバース(Miss Universe)のナイジェリア代表に選ばれるかもしれない。

 大学で法学を学ぶチディマ・アデッチーナさん(23)は、南アフリカの最大都市ヨハネスブルク郊外のソウェト(Soweto)で、ナイジェリア人の父のもとに生まれた。

 だが、アデッチーナさんがミスコンテストに出場すると、インターネットを中心に反外国人感情が露呈。閣僚さえもが騒動に加わり、アデッチーナさんの母親が素性を偽った可能性があるとする政府調査の結果まで発表された。アデッチーナさんは「家族の安全のため」に辞退することになった。

 そうした中、ミス・ユニバースのナイジェリア代表選考会の主催者が救いの手を差し伸べた。

 ミス・ユニバース・ナイジェリア創設者のガイ・マレーブルース(Guy Murray-Bruce)氏はAFPに対し、「世界は人種差別に満ちあふれている」「私たちは互いに争うべきではない。私はアフリカ、黒い大陸の団結を望んでいる」と語った。

 女王の座を競う24人の女性たちも、新しい「姉妹」を大いに歓迎している。

 アデッチーナさんと同じく二重国籍を持つカナダ系ナイジェリア人のチオマ・オグボンナさん(27)は、カナダでは二重国籍であるがために差別されることは考えられないとし、「南アフリカの人々は、私たちが皆、人間であることを理解しなければならない」と語った。

 首都ラゴスのホテルで取材に応じたアデッチーナさんは、「これまでとてもつらかった」と言う。それでも「南アフリカ人であり、ナイジェリア人であることを誇りに思っている」と胸を張った。

 コンテストでは東部タラバ(Taraba)州の代表となるため、残された短い時間で現地の習慣を学ぶ必要があるという。【翻訳編集】 AFPBB News