パリ地下鉄、車いす利用が容易な駅は1割未満 パリ・パラリンピック

AI要約

パリの地下鉄システムが車いすユーザーにとって利用しにくい状況であることが明らかになった。

バレリー・ペクレス知事は、地下鉄を含む公共交通機関のバリアフリー化を提案し、20年かけて150億~200億ユーロの投資が必要であると述べた。

パラリンピック期間中には、障害のある来場者向けの対策としてミニバスの配置やスマートフォン用アプリの提供が行われる。

パリ地下鉄、車いす利用が容易な駅は1割未満 パリ・パラリンピック

【8月28日 AFP】フランスの首都パリを擁するイルドフランス(Ile-de-France)地域圏の知事で、同地域圏の公共交通機関を統括するバレリー・ペクレス(Valerie Pecresse)氏は26日、同市の地下鉄システムを車いすユーザーが利用するのは不可能に近い状態にあると認めた。

 パリの地下鉄1号線は1900年に開通。鉄道路線では、RER(イルドフランス地域圏急行)を含めて16路線以上に300以上の駅があり、1日当たりの利用者は欧州連合(EU)で最多の400万人を超える。だが、車いすでの利用が容易な駅は29駅しかない。

 ペクレス氏によれば、パリ市内中心部を走るバスはすべて車いすでの利用が容易なのに対し、地下鉄、路面電車、RERなどの公共鉄道網では25%にとどまっている。

 こうした状況についてペクレス氏は、パリの地下鉄の大半で近代的なバリアフリー化は可能だとし、「すべての人にメトロ(地下鉄)を」と題する案を提示した。ただし、完成には20年かかり、150億~200億ユーロ(約2兆4000億~3兆2000億円)の投資が必要になるとみられる。

 一方、9月8日まで開催されるパラリンピックの期間中は、障害のある来場者が競技会場を移動する手段として約100台のミニバスを配置するなど、いくつかの対策を講じていると説明。また、移動の準備に役立つスマートフォン用アプリも提供するとしている。(c)AFPBB News