ロシア軍、ウクライナに2日連続で大規模攻撃 少なくとも4人死亡
ウクライナに対するロシアの2日連続の空爆により、ホテルや州で死傷者が出るなど深刻な被害が生じている。
ロシアは極超音速ミサイルを使用し、ウクライナ全土の発電所や関連インフラを狙ったとされている。
ウクライナは支援国に対してロシアへの攻撃に対して協力を求めており、欧州諸国の空軍との連携を呼びかけている。
ロバート・グリーンオール、BBCニュース
ロシアは27日未明、ウクライナに対して2日連続の空爆を実施した。ウクライナ当局によると、クリヴィー・リフのホテルが攻撃を受けて少なくとも2人が死亡したほか、南東部ザポリッジャ州でもドローン(無人機)による攻撃で2人が亡くなった。
ロシアは前日にも現在の戦争で最大規模となる空爆を行い、ウクライナ当局は多数の死傷者が出たとしていた。
ウクライナでは未明に空襲警報が発令された。同国の監視当局は極超音速ミサイルを発射するロシア軍機を検知した。空軍は、ミサイル5発とドローン60機を撃墜したと発表した。
ウクライナの防空部隊は国全体が弾道兵器を使った攻撃の脅威にさらされているとしている。
ロシア国防省は声明で、ウクライナ中北部キーウ州、西部リヴィウ州、北東部ハルキウ州、南部オデーサ州を含むウクライナ全土の発電所や関連インフラを攻撃するため、空中発射型と水上発射型の長距離精密兵器を使用したと明らかにした。
アメリカのジョー・バイデン大統領は「常軌を逸した」攻撃だとし、米政府はウクライナのエネルギー網を引き続き支援していくと述べた。
イギリスのデイヴィッド・ラミー外相は、「民間インフラに対する、ミサイルとドローンを使ったロシアの卑怯な攻撃」を非難した。
ロシアはこの日の攻撃について、ミサイル10発とドローン81機を発射したと発表した。
26日には、クリヴィー・リフのホテルが攻撃を受け、男女1人ずつが死亡したほか、数人が負傷した。また、2人が行方不明となっている。
クリヴィー・リフはウォロディミル・ゼレンスキー大統領の出身地。
また、ザポリッジャ州のイワン・フェドロフ州知事によると、ドローンによって2人が死亡し、4人が負傷した。
そのほか、キーウ、北部スーミ、西部フメリニツキー、南部ミコライウの各州でも複数の爆発が報告されている。
防空システムによる迎撃が困難な、極超音速弾道ミサイル「キンジャール」の発射も複数確認されている。
ウクライナは今月初めにロシア西部クルスク州への越境攻撃を開始し、ロシア領土の一部を占領した。こうした中でロシアが、ウクライナとの戦闘における支配力を再び確立しようとしていることが、直近の攻撃からうかがえる。
ロシアは、2022年2月に本格侵攻を開始した直後から、ウクライナのエネルギーインフラを標的にしてきた。ここ数カ月、送電網への攻撃に再び力を入れており、ウクライナ各地では頻繁に停電が発生している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、イギリス、アメリカ、フランスなど西側の支援国に対し、ウクライナが各国の武器を使ってロシアの奥深くまで攻撃できるよう、それぞれの国の規則を変更するよう求めた。
また、欧州諸国の空軍がウクライナの防空と協力すれば、「人命を守るためにもっと多くのことができる」と述べた。
(英語記事 Massive Russian strikes hit Ukraine for second day)