イスラエルへの攻撃「正確に完了」 ヒズボラ指導者、軍拠点など標的

AI要約

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師は、イスラエルへの攻撃が計画通りに実行されたと主張し、さらなる攻撃の可能性を示唆しつつも民間施設を標的としなかったことを明らかにした。

ヒズボラは320発以上のロケット弾や無人機でイスラエルを攻撃し、一方イスラエル軍はヒズボラの発射地点を空爆し、数千基のロケット発射機を破壊したと報告されている。

イランもヒズボラの攻撃を支持し、イスラエルによるイスラム組織への襲撃に対する報復を祝福した。イスラエル側は再度の攻撃を示唆し、緊張が続いている。

 レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師は25日、テレビ演説し、イスラエルへの大規模攻撃について、「計画通りに正確に完了した」と主張した。さらなる攻撃を示唆した一方、民間施設は標的にしなかったとも述べ、衝突拡大を避ける意図もにじませた。

 ヒズボラは同日、320発を超えるロケット弾や無人機でイスラエルを攻撃したと発表。一方、イスラエル軍は攻撃を察知し、戦闘機約100機がレバノン南部にあるヒズボラの40以上の発射地点を空爆し、数千基のロケット発射機を破壊したとしている。

 ヒズボラに近いテレビ局アルマヤディーンによると、ナスララ師は今回の攻撃は、7月末のイスラエル軍のヒズボラ司令官殺害に「関連したものでなければならなかった」と述べ、イスラエル中部の商都テルアビブ近郊の情報機関や、軍の拠点などを標的とし、民間施設は避けたと強調。タイミングについては「ガザでの停戦交渉の機会を与えるまで、攻撃を待った」と説明した。一方で、「さらなる攻撃を行うかを決定する前に、標的に対する(今回の)攻撃の影響を評価する。結果が十分でなければ、我々は別の機会に対応する権利を持つ」とも述べた。

 イスラエルのネタニヤフ首相は25日、政府内の会合で、「これで終わりではない」と述べ、再度の攻撃を示唆。ナスララ師のほか、イスラム組織ハマス最高幹部の殺害をめぐってイスラエルへの報復を宣言したイランの最高指導者ハメネイ師に対し、「これが情勢を変える一歩だと知る必要がある」と牽制(けんせい)した。

 イランのカナニ外務省報道官は26日、支援するヒズボラの攻撃について「シオニスト政権(イスラエル政府)の標的に対する対応を称賛し、祝福する」とX(旧ツイッター)に投稿した。(エルサレム=河野光汰)