報復「計画通り完了」 イスラエルに攻撃継続示唆 ヒズボラ指導者

AI要約

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は、イスラエルへの報復攻撃を完了したと表明したが、今後も攻撃を続ける意向を示唆。

イスラエルはヒズボラの大規模攻撃を先制攻撃し、激しい攻防戦が繰り広げられている。

両者は全面戦争を避けるために水面下で意思疎通を行っていると報じられている。

 【カイロ時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は25日、テレビ演説し、7月末に軍事部門最高幹部を殺害されたことを受けたイスラエルへの報復攻撃が「計画通り完了した」と述べ、当面の目的を達したとの見解を示した。

 ただ、「結果が十分でなければ、別の機会に対応する」と語り、イスラエルへの攻撃を続ける可能性を示唆した。

 イスラエルは25日、ヒズボラが大規模攻撃を準備しているとして、戦闘機約100機でレバノン南部の標的270カ所以上を先制攻撃した。これに対し、ヒズボラはイスラエル軍の施設を狙ってドローンやロケット弾320発以上を発射した。ヒズボラとイスラエルの攻撃の応酬は昨年10月以降、連日のように続いているが、今回は最大規模となった。

 ナスララ師は、報復のタイミングについて、連帯するパレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの停戦交渉の進展などを考慮したと説明。イスラエルの商都テルアビブ近郊の同国軍基地が主な標的だったという。ただ、イスラエル軍報道官は、「攻撃の大部分を阻止した」と主張した。

 イスラエルのカッツ外相は「全面戦争は望んでいない」と強調。イスラエルとヒズボラは事態の悪化を避けるため、水面下で意思疎通したと報じられている。