知ってはいけない、世界の《残酷な常識》日本メディアは報じないドイツの闇…脱原発で《巨大なお金》が動く意外なカラクリ

AI要約

LSEのスチーヴン・ジャーヴィスによると、原発廃止には約1.3兆円の社会的コストがかかるが、ドイツは脱原発を進めようとしている。

ドイツでは偏向報道により脱原発が推進されており、福島原発事故を利用して世論を誘導している状況がある。

アメリカでは脱原発に関する冷静な議論がなされている一方、原発のメリット・デメリットを比較した論文がある。

知ってはいけない、世界の《残酷な常識》日本メディアは報じないドイツの闇…脱原発で《巨大なお金》が動く意外なカラクリ

LSEのスチーヴン・ジャーヴィスによると、「原発を全廃する過程で、環境汚染などの社会的コストは約1.3兆円かかる」という。それでもドイツの脱原発推進派は強引にその政策を進めようとしている。

アメリカでは「脱原発」に関しては、比較的冷静な議論がなされているが、ドイツでは、原発に関する報道は「脱原発」に偏向していて、国民に良否の判断材料を与えていない。そればかりか福島原発事故を利用して恐怖心を煽り、原発廃止に世論誘導している。

そんな偏向報道に満ち溢れたドイツだが、ウクライナ戦争の勃発で、「原発再稼働」への機運が盛り上がろうとしている。ドイツ在住のベストセラー作家・川口マーン惠美氏と青山学院大学教授福井義高氏が、ドイツと世界のエネルギー政策(原発問題)について語り合う。

※本記事は、『優しい日本人が気づかない 残酷な世界の本音―移民・難民で苦しむ欧州から、宇露戦争、ハマス奇襲まで』より一部を抜粋編集したものです。

福井義高(以下福井):原発を止めたらコストが幾らぐらいかかるか。スチーヴン・ジャーヴィスLSE助教授らが2022年に《Journal of the European Economic Asseciation》(20巻3号)で、原発以外の代替手段を比較基準に推計を行っています。

原発を全廃する過程で、環境汚染などの社会的コストが年間約30億ユーロから80億ユーロかかるといいます。日本円で約5000千億円から1.3兆円くらい。

この論文は、ZEW研究主任兼ハイデルベルク大学教授のセバスチャン・ラウシュが、世界的に知られた学術誌『ネイチャー』の姉妹誌の一つ《Nature Climate Change》(12巻、2022年4月)で紹介しています。

また、米経済学会が発行する《Journal of Economic Perspectives》(JEP)には、福島原発事故が起こって間もない2012年に、「原発の見通し」と題して、原発のメリット・デメリットに関する展望論文が掲載されました(26巻1号)。

主に石炭・天然ガスと比較し、原発は燃料コストでは優位なものの建設コストが大きいので、経済的には原発は分が悪い。原発に関しては、日本やドイツと比べて、アメリカではわりと冷静な議論が多いように思います。

川口マーン惠美(以下川口):原発賛成と反対の両方の議論を紹介するメディアがあるからですね。日本やドイツは反原発や脱原発の研究者の言い分しか報じない。少なくとも今まではそうでした。

ドイツでは脱原発でのコスト高を推進派は全然問題にしていません。特に緑の党は、本末転倒というか本当に酷いのは、ガス価格であろうが原油価格であろうが価格が上がれば人々が使わなくなるからいいという発想です。

さすがにこれは叩かれましたが、しかしそれが本音なのです。

石油を使うので飛行機はダメ、豪華客船はダメだと国民に呼びかけているくせに、実は、議員が一番多く飛行機を利用していたのが緑の党でした。

脱原発や脱石油、脱炭素を推進するグループは再生可能エネルギー誘導することによってビジネスが拡大し儲かればいいと思っている。脱炭素というのであれば原発を稼働したほうが目標を達成できるのにそうしないのは矛盾している。

しかし彼らはそれで一向に構わないわけです。自分たちと国民は別だと考えているのでしょう。