韓国で尹錫悦政権の「親日政策」「親日歴史観」が猛批判を受け…とうとう最大の祝日「8.15独立記念日」式典が大分裂の「異常事態」

AI要約

光復会が尹錫悦政権の歴史観を非難し、光復節行事に参加しない姿勢を示した。

独立記念館長に指名された金亨錫がニューライトとして批判され、撤回要求が起こった。

左派と右派の歴史問題における対立が激化し、建国節論議が中心となっている。

韓国で尹錫悦政権の「親日政策」「親日歴史観」が猛批判を受け…とうとう最大の祝日「8.15独立記念日」式典が大分裂の「異常事態」

韓国の独立運動家の子孫で構成された「光復会」が、尹錫悦政権の歴史観を猛非難し、政府が主催する8月15日の光復節(独立記念日)記念式に参加しなかった。尹錫悦大統領が任命した金亨錫(キム・ヒョンソク)新任独立記念館長が、「親日的な史観を持つ極右人物」という理由からだ。

光復会のこの主張に民主党などの政界の進歩派も同調、多くの野党議員らが政府主催の光復節行事に参加しなかった。今年で79回目を迎えた韓国の独立記念日は、左右に分裂されている韓国を象徴するような風景が演出されたのだ。

光復会が糾弾している独立記念館の金亨錫新任館長は、歴史学者であり教育者で、対北朝鮮支援団体である「我が民族助け合い会」というNGOを創設、長い間市民運動をしてきた人物だ。対北朝鮮関連の人道的支援と事業に専念してき金氏だが、2016年、韓国国家の愛国歌を作った安益泰(アン·イクテ)博士を称える安益泰記念財団の研究委員長を務めたことに契機に、軸足を歴史学者へと戻してきた。

安益泰博士は、「民族問題研究所」という左派市民団体が作った『親日人名辞典』に名前を挙げられた人物で、文在寅政権時代には、「親日派が作った愛国歌を廃止すべきだ」という主張をした。金氏は、安益泰博士に対する韓国左派の対親日攻撃を自ら経験し、韓国の近現代史問題に再び関心を持つようになったと思われる。

金氏は、その後、2020年に大韓民国史研究所所長、2022年に大韓民国歴史と未来初代理事長などを歴任し、今年8月6日に独立記念館長に指名された。ところが金氏の独立記念館長内定が伝えられると光復会と共に民主党、そして歴史学界では金氏の過去の発言を理由に、金氏を「親日史観のニューライト人事」と規定し、任命撤回を強く求めた。

ニューライト(new right)とは、2000年代半ばから新しい保守を標榜して登場したムーブメント勢力だ。

政界では主に左派から右派に転向した人々をニューライトと分類したが、学界では日帝植民近代化論を主張する学者たちをニューライトと呼ぶ。日帝の植民地支配時代、韓国の経済成長率や産業が大きく発展したという各種データを提示し、「日本の植民地時代が韓国の近代的経済成長の基点」と主張する学者たちのことだ。日本でも翻訳出版された「反日民族主義」の著者の李榮薰(イ・·ヨンフン)博士が主導する落星垈経済研究所が代表的なニューライト学者たちの団体だ。

「日帝時代には略奪と侵略しかなかった」という日帝収奪論が主流だった既存の歴史学界と左派陣営は、これらニューライト学者たちを「親日派極右」と規定し大々的な攻勢を繰り広げた。ちょうど朴槿恵保守政権が「左傾化した歴史教科書を正す」として国定教科書の執筆を推進すると、歴史学界は「ニューライトが主導する親日教科書」という波状攻勢を始めた。結局、韓国国民も主流歴史学界の主張に同調し、国定教科書の推進は挫折され、「ニューライト=親日派」というレッテルが成立した。

光復会はこの長年の論争を復活させ、尹錫悦大統領に金亨錫館長に対する指名撤回を強く要求した。金館長が過去、「親日派と罵倒された人々の名誉回復に乗り出す」と言った発言や、「韓国の建国は韓国政府樹立日の1948年」と言ったことを問題視した。韓国の建国時点は上海臨時政府が樹立された1919年であり、1948年だという主張は独立運動と臨時政府の歴史を貶めるものだ、というのが光復会の立場だ。

ここには、歴史学界の主流派が「親日派」と規定した李承晩(イ・スンマン)初代大統領を、「建国大統領」として受け入れることはできないという光復会の本音が底にあり、まさにこの建国節論議こそ、韓国歴史界の左派と右派が激しく対立している問題だ。