巨大気球が山火事の発生予測を可能に? 米コロラド州で実証実験

AI要約

米コロラド州で発生した山火事を早期検知し、防ぐために高高度気球を使った取り組みが行われている。

気球は赤外線センサーを使い、リアルタイムで地上の植生密度や水分含有量をマッピングして火災のリスクスコアを算出する。

データはインターネット経由で誰でもアクセス可能であり、消防士を含めて火災情報を素早く利用できるようになる予定だ。

巨大気球が山火事の発生予測を可能に? 米コロラド州で実証実験

(CNN) 7月末、米コロラド州で4件の山火事が発生した。そのほとんどはすでに鎮火しているが、この夏に高温で乾燥した気候が続けば、さらに火災が発生する可能性がある。

今月1日、ピックアップトラックの荷台から巨大な気球が打ち上げられた。気球は成層圏(地上から高さ約6~50キロの領域)まで浮遊し、フォートコリンズ近郊のアレクサンダー山で発生した火災の高解像度写真を撮影し、地上の温度を測定することに成功した。

高高度気球の開発を手掛ける新興企業アーバンスカイは、気球の打ち上げを何カ月も前から計画していた。同社は気球を使って低コストで山火事を検知、追跡し、最終的には山火事の拡大を防ぐことを目指している。商用化に向けた実証実験の一環として、向こう4週間以内にいくつか気球が打ち上げられる予定で、今回が初の打ち上げとなった。

「主な目標は火災情報と山火事の早期検知」と、同社の共同創業者で最高技術責任者(CTO)のジャレッド・ライデック氏はCNNに語った。

気球は赤外線センサーを搭載し、地上の植生密度と水分含有量をマッピングする。データはリアルタイムで処理され、乾雷やその他の発火源に関する情報と組み合わせて、特定エリアの「リスクスコア」を算出し、火災が発生しそうな場所を特定する。

また、別のセンサーが地面の熱を測定する。同氏によれば、温度は火災を早期検知するうえで非常に重要だという。現在、大半の火災は目に見える煙の存在によってのみ検知されるため、その煙が消えかかった無害なものなのか、これから燃え広がろうとしている高温のものなのかは判断ができない。

データはすべて、衛星回線を通じて地上のコンピューターに送信され、インターネットに接続できれば誰でもアクセス可能だ。データは今後、火災情報システムにアップロードされ、数十秒から数分以内に、消防士を含めアクセス可能なすべての人がデータを利用できるようになる予定だ。