ザッカーバーグがAI競争で優位に立つ理由は、圧倒的なユーザー数(海外)

AI要約

メタは、デイリーアクティブユーザー数が32億7000万人で、AIテクノロジーを展開する有利な立場にある。

ザッカーバーグCEOは、AI競争で優位に立っており、Meta AIを世界で最も利用されるAIアシスタントにしようとしている。

メタはユーザーにAIを使わせることを強制し、独自の戦略を展開している。

ザッカーバーグがAI競争で優位に立つ理由は、圧倒的なユーザー数(海外)

メタの全プラットフォームにおけるデイリーアクティブユーザー数は32億7000万人に上るという。

メタは、これらのユーザーに同社のAIテクノロジーを展開できるという有利な立場にある。

メタは研究開発に数十億ドルを投じ続けており、すでに同社のプラットフォームにAIを統合している。

メタ(Meta)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは、AI競争で優位に立つことができそうだ。というのもメタのキャプティブポータル(クライアントがユーザー認証を行うまで、ネットワークへアクセス出来ない環境)には30億人以上のユーザーがいるからだ。

ザッカーバーグは、ハーバード大学の寮で生まれたプロジェクトを世界に広がるソーシャルメディア帝国に育て上げるために20年以上を費やしてきた。今や彼は、AIを人々の生活に溶け込ませるという競争において、メタをフロントランナーにしようとしている。その方法というのは、ユーザーがそれを使わざるを得ない状況に追い込むことだ。

2024年7月31日にメタの第2四半期決算が発表され、ザッカーバーグは、年頭にリリースされたAIアシスタント「Meta AI」について、「年末までに世界で最も利用されるAIアシスタントになるという目標が達成できそうだ」と満足そうに語った。

彼が自信に満ちているのには理由がある。

メタの報告によると、フェイスブック(Facebook)、インスタグラム(Instagram)、フェイスブック・メッセンジャー(Messenger)、ワッツアップ(WhatsApp)、スレッズ(Threads)など、同社が運営するすべてのプラットフォームにおける2024年第2四半期のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は32億7000万人で、他の追随を許さないユーザーベースとなっている。

このユーザーベースはメタの一連のアプリ群と長年にわたって密接な関係を維持してきた。6月のDAUは前年比7%増で、フェイスブック、ワッツアップ、インスタグラムのユーザーは毎月16時間以上をアプリに費やしていることになる。

つまりザッカーバーグは、多くの熱心なユーザーに向けて、AI搭載のテクノロジーを紹介することができる。そしてメタは、AIの利用をオプトアウト(ユーザーが情報やサービスの受け取りを許諾しない意思を示すこと)する選択肢を与えない戦略を実行している。

これは、新たなAI機能を展開するに当たって、メタがとった独特な戦略だ。2004年に「Facebook Wall」を公開した際にも、同様の手法でユーザーを獲得した。対照的に、OpenAIやAnthropicなどの競合製品のユーザーは、製品について情報を収集して、探し出さなければならない。

アナリストもこの点は理解している。リサーチ会社Forresterのバイスプレジデント兼リサーチディレクターであるマイク・プルー(Mike Proulx)は決算発表の後、「ユーザーに強制的にでも使わせることで、Meta AIを効果的に展開していくというのは賢明な動きだ」と述べている。

「メタは、Meta AIが世界で最も利用されているAIアシスタントになると豪語しており、インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップのユーザーは、これを使わざるをえないことになる。これらのアプリの検索バーになっているからだ」

ザッカーバーグがこのアプローチを採用する理由は、いくつかあるだろう。

まず、メタはAIに数十億ドルを費やしているが、AIが自分の生活に必要なものかどうか分からないようなユーザーにそれを導入するかどうかを任せてしまうと、その投資がすべて無駄になってしまうかもしれない。