ユヌス氏が帰国 バングラ暫定政権トップ就任へ 「暴力はやめよう」

AI要約

反政府デモで政権が崩壊し、バングラデシュでノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が暫定政権の最高顧問に就任することが決まり、国民に対して対話と理解を呼びかけた。

ユヌス氏はグラミン銀行の創設者であり、貧困層向けのマイクロファイナンスで貢献し、暫定政権発足を支援する期待が高まっている。

反政府デモを主導した学生グループは、ユヌス氏が政権移行期のトップにふさわしいと考え、政治情勢の安定化に期待している。

ユヌス氏が帰国 バングラ暫定政権トップ就任へ 「暴力はやめよう」

 反政府デモで政権が崩壊したバングラデシュで8日、ノーベル平和賞受賞者で、総選挙までの暫定政権の最高顧問に就くことが決まったムハマド・ユヌス氏(84)が、一時滞在先のフランスから帰国した。国民の政治的分断を浮き彫りにしたデモを経て、ユヌス氏には事態正常化に向けた手腕が期待されている。

 「新しいバングラデシュをつくる日が来た。暴力はやめよう。対話を通じ、お互いを理解し合おう」。ユヌス氏は8日、首都ダッカの空港で会見し、国民に呼びかけた。

 軍によると、ユヌス氏は同日中に最高顧問就任を宣誓し、暫定政権が発足する見込みだ。

 「グラミン銀行」を1983年に設立したユヌス氏は、貧困層向けの無担保小口融資(マイクロファイナンス)の創始者として知られる。貧しい人々の自立を支援し、貧困軽減に貢献した功績から2006年にノーベル平和賞を受賞した。実業家としての実績も持つ。反政府デモを主導して暫定政権発足に向けた協議に加わる学生グループなどは、国民に人気のあるユヌス氏が政権移行期のトップに適任と判断したとみられる。