AIによる雇用市場の再編が進む… 2030年までに1200万人の労働者が別の仕事を探すことに（海外）

AIは雇用市場の大規模な再編を引き起こすと労働の専門家は話している。

研究者は、10年後までにAIによって1200万人もの労働者が職を失うと予測している。

キャリアの専門家によると、こうした労働者は、自分のスキルを上げていかなければ、新しい仕事に転職することが難しくなる可能性があるという。

気軽に転職できる時代は終わりを告げようとしている。

特にAI（人工知能）による混乱の影響を強く受ける業界で働く人々は、新しい仕事を得ることが非常に困難になるだろうとキャリアの専門家はBusiness Insiderに語っている。

AIの出現は、カスタマーサービス担当者、レジ係、事務員、生産労働者に大きな警告を発している。マサチューセッツ工科大学の労働市場およびデジタル技術研究者であるゲオルギオス・ペトロプロス（Georgios Petropoulos）によると、AIに職を奪われる可能性が最も高いのは「中程度のスキル」を持つ労働者だという。

高いスキルを持つ労働者は既存の仕事にAIが導入される可能性が高い一方で、配管工や電気技師のような技能労働者の需要は今後も続くだろう。AIが主流になるにつれて、今後数十年の間に不安定な状態になるのは中程度のスキルを持つ労働者だとペトロプロスは予測している。

「雇用市場の二極化が進んでいる」とペトロプロスはBusiness Insiderのインタビューで語った。

ペトロプロスは正確な見積もりはしていないが、経済がAI主導の雇用市場に移行するにつれ、中程度のスキルを持つ労働者の失業率は上昇すると予想している。この移行には20年かかるだろうと彼は補足した。

「高いスキルが求められる仕事が増えるとともに低スキルの仕事が増え、中間の仕事は減っていく」

一方、マッキンゼー・グローバル・インスティテュート（McKinsey Global Institute）のディレクターであるクワイリン・エリングルド（Kweilin Ellingrud）は、AIの影響がアメリカの雇用市場全体に波及するにつれ、低スキルの労働者の需要は減少すると予想している。マッキンゼーは、2030年までに1200万人の労働者がまったく別の職を探す必要があると予測しており、これは新型コロナウイルスのパンデミック中に発生した転職回数とほぼ同じだ。

マッキンゼーは、10年後までにレジ係63万人、事務アシスタント71万人、販売員83万人が職を失う可能性があると予測している。同社は2023年の報告書で、全産業で事務員の数が160万人減少する可能性があると述べている。

「一般的な仕事では、以前よりも高いレベルのスキルが要求されるようになるだろう」とエリングルドは雇用市場における競争の激化について話す。

「機械や生成AIで簡単にできる、より単純で、より反復的な仕事は、それらで行われるようになるだろう」