マカオで”人食いバクテリア”ビブリオ・バルニフィカス菌感染確認…今年3例目、調理中に魚の骨が指に刺さる

AI要約

マカオ政府衛生局は8月2日夜、ビブリオ・バルニフィカス菌の新規感染確認例を報告。患者は72歳の男性で、自宅で魚の調理中に傷ついたことが感染の原因とされる。

感染した患者は現在入院中で、治療を受けている。ビブリオ・バルニフィカス菌は海水中に存在し、傷口からの感染が起こる可能性がある。

今年に入って3例目の感染例であり、以前の感染事例では死亡例も発生している。衛生局は感染予防のための対策を呼びかけている。

マカオで”人食いバクテリア”ビブリオ・バルニフィカス菌感染確認…今年3例目、調理中に魚の骨が指に刺さる

 マカオ政府衛生局は8月2日夜、「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィカス菌の新規感染確認例が当地で1件報告されたと発表。

 患者は慢性疾患を持つマカオ人の男性(72)。前月(7月)30日午前に自宅で魚の調理をしていたところ、手元を誤って魚の骨が右手中指に刺さったという。翌日(31日)日午前5時頃に傷口付近に腫れと痛みが現れ、発熱や咳・痰といった上呼吸器系の症状も同時に出たことから、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)を受診。同院での検査で右手中指の蜂窩織炎及び上呼吸器感染と診断され、傷口のの清浄化及び抗生物質による治療のため入院。8月2日に創傷分泌物の検査結果が判明し、ビブリオ・バルニフィカス菌感染が確認されるに至ったとのこと。なお、患者は依然として入院治療を受けているが、容体は安定しているという。

 衛生局では、ビブリオ・バルニフィカス菌は温暖地域の海水中に自然に存在する細菌で、傷口が菌を含む海水に触れたり、汚染された魚介類の摂取により感染を引き起こす可能性があるとし、皮膚に傷がある場合は海水との接触を避ける、傷口を清潔に保ち適切に保護する、魚介類を口にする際及び調理において取り扱いに注意するなどの対策のほか、生命に関わるため、摂取や接触後に下痢、嘔吐、腹痛、皮膚の腫れ、痛み、化膿といった感染が疑われる症状が出現した際には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけた。

 マカオにおけるビブリオ・バルニフィカス菌の感染確認例は今年に入って3例目。このうち今年第1例目(4月中旬)となる患者は死亡に至っており、自宅で魚介類を処理して食べていたことがわかっている。

 昨年も感染例が相次ぎ出現し、コロアン島のビーチで遊泳中と散歩中に手や足の指が魚のヒレと接触して負傷したことによるケースが2件、コロアン島・コロアンヴィレッジ付近の堤防で魚釣りをしている男性が釣れた魚を掴む際に手の一部が魚のヒレと接触して刺傷を負ったことによるケースが1件、公設市場の鮮魚売場で誤って魚のヒレで指に刺傷を追ったことによるケースが1件の計4件確認されたが、死亡例はなかった。