Temuの販売業者ら、「不当な」罰金と販売代金差し止めに反旗 「本当に絶望」

AI要約

中国発のネット通販サイト「Temu」が独立系業者からの反発に直面し、広州市でのデモが行われた。罰金や支払い差し止めに抗議されている。

テムは安価な商品を提供する自営業者向けのオンラインストアで、遅延や品質不良に関する不満が募っている。

テムは中国を拠点とする費用のかかる世界展開を進めており、今後の解決策が重要となっている。

Temuの販売業者ら、「不当な」罰金と販売代金差し止めに反旗 「本当に絶望」

香港(CNN) 中国発のネット通販サイト「Temu(テム)」はこれまでもビジネス慣行について厳しく追及されてきたが、今、新たな問題に直面している。中国に拠点を置き、同サイト上で販売を行っている独立系業者からの反発だ。

数百人の販売業者が今週、中国南部の広州市にあるテム関連企業の建物でデモを行った。デモ参加者は、同社が課した「不当な」罰金や、販売済みの商品に対する支払いの差し止めなどに抗議していた。

週半ばまでにほぼ落ち着いたこの抗議活動は、中国の電子商取引大手PDDの所有するテムが野心的で費用のかかる世界展開を続ける中で直面する無数の課題を浮き彫りにしている。

オンラインストアのテムでは自営業の販売業者が安価な商品を販売している。調査会社によると、そのうち10万人以上が中国に拠点を置いている。

デモ参加者が先月29日に撮影した動画には、デモ参加者が集結し、金銭を要求するスローガンを叫んでいる様子が映っていた。何十人もの参加者がオフィスに立ち入り、座り込みを行った。騒々しく緊迫していたものの、雰囲気は平和的だった。

報復を恐れて名前を伏せた2人の販売業者はそれぞれCNNに対し、顧客サービスが不十分だったとしてテムが課した「不釣り合いに高額な」罰金について苦情を申し立てるために来たと語った。不十分とされる理由には、配送の遅れ、商品説明の不正確さ、異なる商品の発送が含まれる可能性がある。CNNが取材した4人によると、罰金は卸売価格の1~5倍に及んだ。

日用品を販売している業者の1人は、給与や事業運営の支払いのために引き出そうとしていた販売済みの金額、約200万元(約4100万円)がテムに凍結されたとも主張した。

この人物は、テムから商品が「規則に違反している」と言われたが、何が悪いのか理解できなかったという。「本当に絶望している。家族と仕事を失いそうだ。(プラットフォームに参加したことを)本当に後悔している」と嘆いた。

テムの広報担当者は抗議活動の規模について異議を唱え、「12人の販売者」が集まったと説明した。販売者らの大半は競合サービスの「SHEIN(シーイン)」でも活動している衣料品販売業者だという。

広報担当者は「彼らは、販売後の商品の品質とコンプライアンスに関連する問題を処理するテムのやり方に不満を抱いており、数百万元相当の金額について異議を申し立てていた」と説明。販売者は販売契約に記載されている通常の仲裁と法的手段による紛争解決を拒否したと付け加えた。

状況は安定し、解決策を見つけるために販売業者と積極的に協力しているという。

「億万長者のように買い物をする」というキャッチフレーズを掲げたテムは2022年9月、ほぼ宣伝することなく米国でサービスを開始した。しかし、6.5ドルの水着や90セントのアイブロウトリマーなどの製品であっという間にファンを獲得。数カ月後にはスーパーボウルに広告を出したことで話題になった。

市場調査会社によると、テムのアプリはサービス開始以来、6億回以上ダウンロードされている。世界では昨年、8番目に多くダウンロードされたアプリとなり、米国では今も1位を守っている。