【英国】英中銀、5%に利下げ インフレ緩和で=4年5カ月ぶり

AI要約

イングランド銀行が政策金利を0.25ポイント引き下げて5%に調整。低下したインフレ率を受けて4年5カ月ぶりの利下げとなった。

金融政策委員会では利下げを主張する委員が5人おり、今回の決定が微妙なバランスであることが認められた。また、インフレの持続的なリスクを緩和する進展があるものの、引き締めが必要との認識が示された。

インフレ率は目標に到達するものの、サービス部門のインフレ率が高止まり。中銀は国内のインフレ圧力が持続しているとして、下半期には約2.3%に上昇すると予想している。

 英中銀イングランド銀行は1日、前日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.25ポイント引き下げて5%にすることに決めたと発表した。利下げは2020年3月以来で4年5カ月ぶり。5月と6月のインフレ率がいずれも中銀が目標とする2%まで低下したことで、金融緩和に踏み切った。

 議事録によると、今回のMPCでは金融政策委員9人のうちベイリー総裁を含む5人が利下げを支持。4人が据え置きを主張した。利下げを支持した委員は、決定が「微妙なバランス」だったと認めている。

 中銀は「過去の外的ショックによる影響が和らぎ、インフレの持続的なリスクを緩和することに一定の進展があった」と指摘。ただ、インフレが目標まで持続的に戻らないリスクが解消されるまでは、引き締めを続ける必要があると述べている。

 投資家からは、年内にさらに1~2回の利下げが行われるとの予想が出ている。しかしベイリー氏は、「インフレが低水準にとどまることを確認し、金利の引き下げが早過ぎたり引き下げ幅が大き過ぎたりしないよう注意する必要がある」と述べ、着実に利下げが行われるとの観測に慎重な見方を示した。

 インフレ率は中銀の目標に到達したものの、サービス部門のインフレ率は6月も5.7%と高止まりしている。中銀は今後のインフレについて、昨年のエネルギー価格下落のベース効果がなくなったことで、国内のインフレ圧力が持続していることが明確になったとして、下半期(7~12月)は約2.3%に上昇すると予想している。