「銃規制は死んだ...」3Dプリンター銃「FGC9」開発者の正体が判明、謎の死と痛ましい「素顔」に迫る

AI要約

アイルランドの共和主義者が参加するイースターの追悼式典で、3Dプリンター製の銃を所持した過激派メンバーが初めて目撃された。

3Dプリンター銃の歴史と発展、特にFGC9の登場により銃規制の課題が浮き彫りとなった。

オープンソースの設計図や簡易な組み立て方法から、3Dプリンター銃が広く利用されるようになった経緯が明らかになっている。

「銃規制は死んだ...」3Dプリンター銃「FGC9」開発者の正体が判明、謎の死と痛ましい「素顔」に迫る

毎年イースター(復活祭)の日曜日に、アイルランドの共和主義者は1916年のイースター蜂起に思いをはせる。しかし、2022年の追悼式典は異様な雰囲気だった。

参加者の中に、目出し帽をかぶって全身黒ずくめの男が4人いたのだ。彼らは「真のIRA(アイルランド共和軍)」を名乗る過激派組織の分派のメンバーだった。テロ問題の専門家が注目したのは、そのうちの2人が所持していた武器だ。

北アイルランドの準軍事組織のメンバーが3Dプリンター製の銃(FGC半自動小銃を22口径に改良したモデル)を手にしている姿が公に目撃されたのは、初めてだった。

FGC(Fuck Gun Control〔銃規制なんかクソくらえ〕)の3文字は、3Dプリンター銃の開発に携わる人々の信奉するイデオロギーを反映している。

世界で初めて3Dプリンター銃が登場したのは13年5月。当時は米テキサス大学法学部の学生で、リバタリアン(自由意思論者)であり銃を持つ権利を主張する活動家のコディー・ウィルソンが、自作のプラスチック銃を「リベレーター(解放者)」として発表した。

彼は自分が銃を撃つ様子を英BBCに撮影させ、銃の設計情報を誰でもダウンロードできるオープンソースとして公開した。

確かに衝撃的ではあったが、銃としては実用性も信頼性も低かった。1発撃つたびに弾丸を再装塡しなければならず、発射時の圧力で本体が壊れやすかった。銃のデザインに課題が多く、3Dプリンターもまだ普及していなかった。

その後、20年春にFGC9が登場し、3Dプリンター銃の脅威が一気に高まった。9ミリ口径弾を連射できる半自動小銃をDIYで手軽に作れるようになったのだ。

銃規制に関連する部品は必要なく、約80%を標準的な3Dプリンターを使ってプラスチックから作り、残りの金属部分は汎用品のスチール製チューブやスプリングで対応できた。

オープンソースの設計図はマニアが集まるチャットルームで共有され、イケアの家具のように詳細な組み立て説明書が付いていた。

以来、FGC9は世界中で使われるようになり、銃愛好家や組織犯罪者、反乱分子、テロリストに選ばれている。

FGC9の開発者はチャットルームで「Jスターク(JStark1809)」と名乗り、素人が作るなら8日かかるだろうと語った。1年後には改良版のMk IIを発表。

匿名のインタビューで、設計図を公開して自由に共有できるようにしたことにより、「われわれは銃規制を永遠に葬り去った......銃規制は死んだ、われわれが殺した」と豪語した。