ウクライナ戦争「24時間で終結」宣言のトランプが、それでもプーチン・ロシアに譲歩しないと言える納得の理由

AI要約

ウクライナとロシアの関係について、オバマ政権時代のアメリカの対応を振り返ると、ウクライナに対する支援が限定的だったことが明らかになる。

2014年にマイダン革命やクリミアの併合があり、ウクライナとロシアの緊張が高まる中、アメリカは武器支援を拒否していた。

オバマ政権時代には、ウクライナのポロシェンコ大統領が武器供与を懇願しても、ロシアとの緊張を回避するために支援を限定していた。

ウクライナ戦争「24時間で終結」宣言のトランプが、それでもプーチン・ロシアに譲歩しないと言える納得の理由

トランプが次期大統領になった場合、ウクライナに対してロシアに譲歩するように迫り、ロシアがこの戦争で勝利することになるという懸念が広がっている。

ところがこれはトランプに対するとんでもない見当違いと言わざるをえない。それは第一次トランプ政権を思い返すと容易に理解できるだろう。

ウクライナでは、2014年に2月にマイダン革命が起こって、当時のヤヌコビッチ大統領がロシアに亡命。翌3月にはロシアによるクリミア半島の併合が行われたばかりか、ウクライナ東部では親ロシア派の独立騒ぎがあり、独立を認めないウクライナ側と戦闘状態に入った。

この時、アメリカはどのような立ち位置にいたのか。

2014年9月19日のCNNは、「オバマ政権、ウクライナに追加支援 武器供与はせず」と報じた。

ロシアがワグネルやロシア帝国軍というロシア国内の武装勢力を東部の親ロシア派地域に送り込み、親ロシア派勢力にどんどん武器を供与している一方で、なんとアメリカはウクライナに対する殺傷兵器の提供を拒んでいたのだ。

同記事には次の記述もある。

〈 ポロシェンコ大統領はこの日、米議会で演説。その後、ケリー米国務長官やオバマ大統領との会談に臨んだ。このなかでポロシェンコ大統領は、親ロシア派武装勢力と戦闘を続けているウクライナ軍への武器供与を繰り返し求めた。ポロシェンコ大統領は米議会で、通訳を介さず、英語で演説。「ウクライナ軍の装備は不足している。殺傷能力のある装備もそうでない装備も」と訴えるとともに「毛布では戦争を勝てない」と武器供与を求めた。〉

ウクライナの大統領がロシアに負けないために必死に武器供与を嘆願しても、ロシアとの緊張状態を高めるわけにはいかないとして、オバマ政権はこれを拒んでいたことがわかる。

なお同記事には、「上院外交委員会は(2014年9月)18日、軍事援助を含む3億5000万ドル(約380億円)の追加支援策を全会一致で採択した」との記述もある。つまり、上院外交委員会では民主党も共和党も一致して、武器供与を含めた追加支援を行うことを求めたけれども、オバマ政権は武器支援は外して4600万ドル(約50億円)規模の支援にとどめたのだ。

このように、オバマ政権の間はウクライナに対する支援は極めて限定的で、なんと武器支援に至っては全然やらなかったことがわかる。