佐渡金山の世界遺産登録、韓国が容認に転じる 27日にも登録へ 韓国「日本とほぼ合意」

AI要約

ユネスコ世界遺産委員会が日本の推薦する佐渡島の金山の世界文化遺産登録を決定する。日韓の対立があったが、韓国政府が合意に近づいたことで登録が有力視される。

韓国は強制労働の歴史を反映すべきと主張してきたが、日本は立場を巡って見解が異なる。実際の措置により展示内容に関する問題が残る可能性もある。

韓国は以前、長崎市の軍艦島登録時にも措置不足を指摘しており、今回の合意には細心の注意が払われている。

【ソウル=桜井紀雄】インド・ニューデリーで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は27日にも、日本が推薦した新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録の可否を決める。韓国が朝鮮半島出身者の強制労働があったとして反発してきたが、韓国政府は26日、「韓日間で合意に至りつつある」と明らかにした。韓国が容認に転じたことで、27日にも登録される可能性が高い。

韓国側は佐渡の金山に関し、日本による朝鮮半島統治時代に朝鮮半島出身者が強制労働させられた現場であり、全体の歴史を忠実に反映すべきだとの立場を示してきた。

韓国外務省当局者は26日、記者団に登録に同意する方針を固めた理由について「日本が全体の歴史を反映すると約束し、実質的な措置を既に講じた」と説明。「特別なことがない限り、登録される」との予想を述べた。

日本は法令に基づく朝鮮半島出身者の徴用はあったが、強制労働には当たらないとの立場だ。登録が実現しても、展示の文言など実際の措置を巡って韓国内の批判がくすぶる可能性がある。

韓国は強制労働があったと主張する長崎市の端島(通称・軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」の2015年の登録後、日本の措置が不十分だったと批判してきた。当局者は「今回は履行の具体的内容でも合意した」と強調した。