北朝鮮、核情報をサイバースパイ 米英韓が発表、日本も標的に

AI要約

米英韓の治安・サイバー当局は北朝鮮のサイバースパイ活動を明らかにし、日本も標的に含まれると指摘。

ハッカー集団「アンダリエル」が核開発に関連する機密情報や知的財産を盗み出し、さらに身代金目的でウイルス攻撃も行っていた。

北朝鮮は核開発に執念を見せ、治安当局からは全世界へのサイバー脅威として警戒が呼びかけられている。

 【ワシントン時事】米連邦捜査局(FBI)など米英韓3カ国の治安・サイバー当局は25日、北朝鮮が核兵器開発を進めるため、世界的なサイバースパイ活動を行っていると共同で発表した。

 標的には日本も含まれるという。各国の政府機関や企業に対し、対策を呼び掛ける勧告も出した。

 発表によると、サイバースパイを行っているのは「アンダリエル」などの名前のハッカー集団。朝鮮人民軍の偵察総局の一部門とされる。

 標的は防衛や航空・宇宙、原子力などに関連する各国の政府機関や企業。核開発に役立てるため、機密情報や知的財産を盗んでいた。サイバー攻撃は「現在進行中の脅威」で、米英韓に加えて日本やインドなども攻撃を受けていると分析した。

 核に関しては、特にウラン濃縮や放射性廃棄物、原発、政府の原子力施設や研究機関などの情報を収集。スパイ活動資金を得るため、身代金目的でデータを暗号化するウイルス「ランサムウエア」で米国の医療機関などへの攻撃も行っていた。

 英情報機関傘下の「国家サイバーセキュリティーセンター」(NCSC)の幹部は声明で「北朝鮮が核開発を進めるため、どんな手段もいとわないことを示している」と指摘した。