米大統領選にカマラ・ハリス副大統領出馬、SNSにあふれる歓喜と中傷

AI要約

アメリカ国内での大統領選挙に関するショッキングな発表が相次いだ。

カマラ・ハリス氏がバイデン大統領の後継として推すことが明らかになり、ツイッター上で盛り上がりを見せた。

バイデン大統領の健康問題とトランプ氏の選挙戦復帰を背景に政治情勢が大きく変化している。

米大統領選にカマラ・ハリス副大統領出馬、SNSにあふれる歓喜と中傷

7月21日、アメリカ東部時間で日曜日のランチタイム午後1時46分、アメリカ全土に衝撃が走った。ジョー・バイデン大統領が2024大統領選からの撤退を自身のX(旧ツイッター)上で発表したのだった。

続いて午後2時13分、副大統領のカマラ・ハリス氏を自身の後継として民主党からの大統領候補に推すとツイート。

約2時間後の午後4時31分にはハリス副大統領が、バイデン大統領の推薦に感謝し、「ドナルド・トランプを打ち負かす」ために全力を尽くすとツイート。

一連のツイートを受け、この日、アメリカのツイッターは大いに盛り上がった。

【Kamala Harris/カマラ・ハリス】

1964年、カリフォルニア州生まれ。母親はインドからの、父親はジャマイカからの移民。ベビーカーに乗っていた頃から権利運動の活動家だった両親に連れられて公民権運動に参加。子供の頃はアフリカ南部ザンビアへのインド大使だった祖父母のもとで夏休みを過ごす。10代の一時期は研究者だった母親の仕事のためにカナダに転居。首都ワシントンにある黒人大学ハワード大学を経てカリフォルニア大学のロースクールに進学。カリフォルニア州で地方検事からキャリアを積み、2010年に同州の司法長官に選出。2017年に連邦上院議員、2021年にバイデン政権の副大統領に就任。

6月27日に行われたバイデン大統領(民主党)とトランプ氏(共和党)のテレビ討論会は、民主党支持者たちをパニックに陥れた。バイデン大統領のかすれた声、語尾が聞き取れないほどの弱々しい話し方、スローな身ぶりに、バイデン氏の善戦を期待して見守った筆者を含む誰もが顔面蒼白となったのだった。

81歳のバイデン大統領の心身の衰えは討論会の前から心配されており、民主党支持者はそれでもバイデン氏の続投を望む派と、若手との交代を希望する派に分かれていた。だが、討論会を機に交代論が一気に高まった。

そんな折もおり、7月13日に東部の激戦州ペンシルベニア州で選挙演説中だったトランプ氏が銃撃される事件が起きるも、奇跡的に右耳を負傷しただけで事なきを得て選挙戦に復帰。

一方のバイデン大統領は、17日に新型コロナ陽性となり、予定されていたラスベガスでの選挙演説を中止。民主党支持者の懸念は募るばかりだった。「日曜に何らかの発表がある」と伝えるメディアもあったが、あくまでうわさの域だった。

バイデン氏がオバマ政権の副大統領だった時期を多くのアメリカ人が覚えている。2人のホワイトハウス着任は2009年と、今から15年も前のことだ。バイデン副大統領は生真面目なオバマ大統領の背後で大声で笑い、くだけた物言いとジョークで場を和ませた。

その様子はコメディアンにモノマネされ、人気コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ』の定番コントにもなった。また、「運動促進」キャンペーンの一環でふた回りも若いオバマ大統領と肩を並べてホワイトハウスの回廊を走るパフォーマンスを見せたこともあった。

あの、いつもはつらつとしていた "ジョー" が、かつての活気をすっかり失ってしまったことに支持者はショックを受け、何よりトランプ氏の再選を恐れた。