バイデン大統領「バトン渡す」 肩書より民主主義守る

AI要約

米大統領選で再選を断念したバイデン大統領が国民向けに演説し、新しい世代にバトンを渡す決断を説明。肩書よりも民主主義を守ることを強調し、任期終了まで全力を尽くす意向を示す。

中国、北朝鮮、ロシア、パレスチナなどの課題への対応が求められる中、米国の指導力低下による混乱を懸念。バイデン氏は死に体化の影響を最小限に抑える必要がある。

再選を目指した現職大統領の撤退は56年ぶりの出来事。バイデン氏はハリス副大統領を候補に推薦し、トランプ前大統領との対決が固まった。

 【ワシントン共同】米大統領選での再選を断念したバイデン大統領(81)は24日、ホワイトハウスの大統領執務室から国民向けに演説した。ロイター通信によると、選挙戦撤退について「新しい世代にバトンを渡すことが最善の道だと決断した」と説明し「肩書よりも民主主義を守ることの方が重要だ」と強調。来年1月の任期まで大統領として全力を尽くすと訴え、レームダック(死に体)化を懸念する声に反論する。

 中国の台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発、ロシアによるウクライナ侵攻、パレスチナ自治区ガザ情勢など対応すべき課題が山積する中、米国の指導力低下は世界に混乱をもたらしかねない。バイデン氏は死に体化の影響を最小限に抑える必要がある。

 再選を狙った現職大統領の撤退は、ベトナム反戦運動に直面した1968年ジョンソン大統領以来56年ぶり。今月21日に歴史的な決断をしたバイデン氏は、ハリス副大統領(59)を民主党の大統領候補に推薦。ハリス氏に支持と献金が集まり、共和党のトランプ前大統領(78)と対決する新たな構図が固まった。