保険料は4割上昇に金利も二桁台 苦しすぎる米国民の「クルマ事情」とは?
アメリカの家庭が新車や中古車を買えない状況にある理由とは?
自動車の価格変動や金利の影響により、多くの家庭が車の購入に踏み切れない状況が続いている。
中古車市場が供給不足になり、中古車価格が上昇している。
米国の家庭の多くは新車や中古車を買えない状況にある、と米誌「アトランティック」は指摘する。
物価はここ1年で2.5%上昇したが、コロナ禍初期には7%上昇したので、それよりは低い。家賃は高いものの、横ばいだ。食品の価格も急上昇しているわけではなく、卵などは値下がりしているほどだ。
だがそれでも、米国民が車の購入に踏み切れない事情とは──?
多くの車種の価格は下がってきており、在庫も充分に眠っている。しかし、それは単に、コロナ禍の前半に半導体が不足し、それ以外の部品もサプライチェーンが麻痺したことで、これまでの店頭価格が大幅に上昇していたからだ。
新車の価格は依然として高く、中流家庭の多くは経済的な余裕がなくて購入できない。新車に手が出せるのはたいてい、裕福な家庭だけだ。
中古車を買う場合も、状況は似たり寄ったりだ。新型のダッジ・ラムであれ、旧型のトヨタ・プリウスであれ、中古車価格は多くが下がっている。それでも、コロナ禍前に比べればおよそ34%高く、全体のインフレ率よりも48%速いペースで上昇した。
新車を購入する人のおよそ8割はローンを組む。中古車を買う人の半分もまたしかりだ。そして、自動車の購入資金を調達しようにも、金利はすさまじく高い。
クレジットスコアが高ければ、5.5%ほどの金利で新車を買えるかもしれない。だが平均的なクレジットスコアなら、中古車を買う際の金利は9.7%といったところだろうか。クレジットスコアが低い人は、2桁台の金利で利息を払うことになる。
このように金利が高いせいで、中古市場に売り出されていそうな自動車が、持ち主のガレージに閉じ込められたままとなっている。たしかに、乗っている起亜の車を売りに出せば、結構な金額になるかもしれない。
かといって、新車が買えるほどではないだろう。このように中古車の供給量が限られるせいで、中古車価格が上昇している。