韓国最大野党が制度を“悪用”、党代表の疑惑追及回避のため国民を煽って「大統領弾劾」に突っ走る愚行

AI要約

共に民主党が強い世論を背景に、尹大統領に対する弾劾訴追案を進めている。

オンライン請願制度を悪用し、民主党が大統領弾劾に利用している状況が続いている。

弾劾請願書には事件や疑惑への理由が挙げられているが、一部は疑問視されている。

 今年4月の総選挙に大勝し再び韓国国会を掌握した「共に民主党」が、〈尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案〉発議のための聴聞会開催を予告した。

 親民主性向の左派市民団体代表が作った「弾劾請願書」に130万人を超える国民が同意したことを「根拠」としている。司法リスクを抱える李在明(イ・ジェミョン)代表を守るためにこれまで検事たちを弾劾してきた民主党が、今度は大統領弾劾に本腰を入れ始めたようだ。

■ 民主党とその支持者のおもちゃと化したオンライン請願制度

 韓国国会は2020年から「オンライン国民同意請願」制度を導入している。以前は国会に請願を出すためには、必ず国会議員の紹介を得て文書で作成した請願書を国会に提出しなければならなかった。このハードルを取り払い、誰にでも請願できるようにするために定められたのがオンライン国民同意請願制度だ。国民同意請願サイトで30日以内に5万人の国民から同意を受けた請願書は国会に送付され、関連常任委員会が請願の妥当性を審査する過程を経て本会議に上程、立法化手続きに入るというシステムだ。

 制度の本来の趣旨は、どんな国民の声でも漏らさず民生に反映しようというものなのだが、国会の巨大野党である民主党はこれを悪用し、大統領の弾劾に向けた世論集めに利用している。

 国家保安法違反をはじめ、前科5犯の履歴を持つ「ろうそく行動団体」のクォン・オヒョク共同代表が弾劾請願文を作成して国会請願サイトに載せると、民主党支持者がネット上で一般の国民に対して請願同意を促した。するとあっという間に「5万人以上の同意」の要件を満たし、請願案は国会に正式に受け付けられた。

 すると今度は、国会を掌握している民主党が大統領弾劾訴追案請願を審査するという名目で、国会聴聞会を開くことを決定し、尹大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人、さらには金夫人の母親まで数十人の証人として採択した。証人に呼ばれた人には出席しない際は法的処罰すると脅かした。まさに国会が民主党とその支持者たちのおもちゃになってしまった状況だ。

■ 左派系メディアも民主党の暴走を批判

 クォン氏が主導して作成されたという尹大統領弾劾請願書には「大統領弾劾の理由が満ちあふれている」との主張とともに次のような具体的な弾劾理由を挙げている。

 1、チェ兵士死亡事件(豪雨地域で行方不明者の捜索作業に動員された海兵隊員の死亡事件)捜査に外圧を行使し、捜査を妨害した。

 2、金建希大統領夫人によるブランドバッグ授受や株価操作などの不正容疑

 3、韓米日軍事演習の強化、9.19南北軍事合意の破棄などで南北関係を悪化させ、韓国を戦争危機に巻き込んだ。

 4、第3者返済案という親日的な徴用工解決法で最高裁の判断を否定し、被害者の権利を剥奪した。

 5、福島汚染水の海洋投棄を幇助し、国民の生命安全権を侵害した。

 いずれも常識のある韓国国民なら首をかしげる内容ばかりだ。