ドイツ、VW系ガスタービン事業の中国売却を認めず…軍事転用を懸念

AI要約

ドイツ政府は独産業機械大手MANエナジーソリューションズの中国企業へのガスタービン事業売却を安全保障上の理由で許可しないと決定した。

売却先の中国企業が駆逐艦エンジンを製造しており、技術の軍事利用懸念が浮上している。

ドイツ経済・気候相は、重要な技術は保護すべきだと強調している。

 【ベルリン=中西賢司】ドイツのショルツ政権は3日の閣議で、独産業機械大手MANエナジーソリューションズによる中国企業へのガスタービン事業売却を「安全保障上の理由」で許可しないと決定した。ロイター通信などが報じた。

 タービンやエンジンなどの製造を手がける独産業機械大手の同社は独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の子会社。中国国有造船大手の子会社とガスタービン事業の売却で合意し、欧州域外からの投資内容を審査する政府に承認を求めていた。

 独メディアは、売却先の中国企業は駆逐艦エンジンを製造しており、技術が軍事目的で使われる懸念を報じていた。欧州では、ウクライナを侵略するロシアに中国などから軍事転用が可能な民生品が流入していることへの懸念が強まっている。ドイツのロベルト・ハベック経済・気候相は3日、「公共秩序にとって重要な技術は守らなければならない」と述べた。