尹美香議員主催討論会で「北の戦争は正義」と発言した韓国市民団体トップを送検

AI要約

元国会議員が主催した公開討論会で、「北朝鮮の戦争は正義の戦争観」「北が戦争をしてでも統一を決心した以上、われわれもその方向に合わせるべき」という発言をした市民団体理事長が検察に送致された。

キム理事長は論争を巻き起こす発言を繰り返し、保守系与党の議員による告発によって国家保安法違反容疑で捜査が始まった。家宅捜索により、キム理事長の著書や電子メールが確保され、利敵性が確認された。

捜査結果、キム理事長が反国家団体と関係があると判断され、在日韓国民主統一連合との連絡などで法に違反する行為があったとされている。

尹美香議員主催討論会で「北の戦争は正義」と発言した韓国市民団体トップを送検

 尹美香(ユン・ミヒャン)元国会議員が国会で主催した公開討論会で「北朝鮮の戦争は正義の戦争観」「北が戦争をしてでも統一を決心した以上、われわれもその方向に合わせるべき」という趣旨の発言をした市民団体理事長が、検察に送致された。

 ソウル警察庁安保捜査課は6月28日、社団法人「釜山平和センター・ハナ」のキム・グァンス理事長を国家保安法違反(讃揚・鼓舞および和合・通信)容疑でソウル中央地検に書類送検したという。同庁が3日に明らかにした。

 今年1月24日、当時の尹美香議員の議員室は、国会議員会館会議室で「南北関係の根本変化と韓半島危機の理解-平和解法模索、どうすべきか」をテーマに緊急討論会を開催した。キム理事長がいる釜山平和統一センター・ハナを含め、20に上る市民団体が共同主催した。

 キム理事長はこの席で「最後の方法ではあるが、やむを得ず戦争が起こるのであれば、統一戦争が起こってその戦争で結果的に平和がつくられ得るのであれば、その戦争観も受容すべきだ」「私は朝鮮半島、分断された韓半島における平和観はすなわちこのような平和観であるべきという所信を持っている」と発言した。

 会議場でのキム理事長の発言は15分続いたが、会議場内では特に制止や抗議はなく、彼の発言が終わると拍手も起きたという。当時、尹美香議員室側は「キム理事長の発言は個人の見解に過ぎない」として、キム理事長の発言について同調しないという立場を明らかにした。

 今年2月、保守系与党「国民の力」に所属する李鐘培(イ・ジョンべ)ソウル市議会議員が尹・元議員と討論会出席者全員を国家保安法違反容疑で警察に告発したことで、この事件の捜査が始まった。警察は今年4月22日、キム理事長の釜山の自宅や事務室を家宅捜索して寄稿文や電子メール、著書などを確保し、国家保安法に抵触するかどうかを捜査してきた。

 警察は、専門機関による鑑定の結果、キム理事長の著書『統一で平和を歌え』と『戦略国家朝鮮民主主義人民共和国』でも利敵性が確認されたと伝えた。また警察は、キム理事長が在日韓国民主統一連合(韓統連)関係者らと電子メールで何度か連絡を取り合ったことは現行法に違反すると判断した。韓統連は1978年、大法院(最高裁に相当)の判決で反国家団体と認定された。

キム・ミョンジン記者