腕切断のインド人労働者遺棄致死 雇用主を殺人容疑で逮捕 伊

AI要約

イタリアでインド人出稼ぎ労働者が死亡する事件が発生し、雇用主が第2級殺人容疑で逮捕された。

労働者は農作業中に腕を切断され、両脚を押しつぶされた後、捨てられていた。

不法就労者が多い状況の中で、労働条件や労働環境に問題があることが明らかになっている。

腕切断のインド人労働者遺棄致死 雇用主を殺人容疑で逮捕 伊

【AFP=時事】イタリア警察は2日、インド人出稼ぎ労働者が農作業中の事故で腕を切断され、両脚を押しつぶされた後、道路脇に遺棄されて死亡した事件で、雇用主を第2級殺人容疑で逮捕した。

 サトナム・シンさん(31)が働いていたのは、インド人労働者が集住するローマ南郊の農村地帯ラティーナ(Latina)県にある農場。労働許可証は持っていなかった。

 シンさんは、作業中に機械で腕を切断され、両脚を押しつぶされた。シンさんの妻を支援している労働組合によれば、その後、雇用主のアントネッロ・ロバート容疑者はシンさんと妻を、切断された腕と一緒に容器に入れて道路脇に捨てたという。

 ラティーナ県の検察は検視結果を引用し、シンさんの死因は「出血多量」と説明。「状態は深刻で、すぐに助ける必要があったのは明らか」で「直ちに救護されていれば、助かっていた可能性が高い」と指摘。農場での労働環境について捜査を続けるとしている。

 農業の労働条件を分析している「Osservatorio Placido Rizzotto」によると、ラティーナ県の不法就労者の日給は平均20ユーロ(約3500円)で、14時間労働しているケースもある。

 財務警察によれば、2023年1月から2024年6月までに確認された不法就労者は約6万人に上る。

 しかし、イタリア最大の労働組合CGILは、全国の季節農業労働者の4分の1以上に当たる23万人が不法就労者だと推定している。【翻訳編集】 AFPBB News