「汚物風船、北朝鮮体制の脆弱性を傍証…明白な『ソフトテロ』」

AI要約

米シンクタンク戦略国際問題研究所が北朝鮮の汚物風船を「ソフトテロ」と指摘し、可能性を低いと分析。

北朝鮮が戦争に出る戦略的決定を終えた主張に対し、ロシアへの武器販売と戦争準備の矛盾を指摘。

汚物風船は韓国の新統一政策への先制措置であり、北朝鮮住民への自由のメッセージと位置づけられた。

「汚物風船、北朝鮮体制の脆弱性を傍証…明白な『ソフトテロ』」

米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長とアンディ・リム研究員が2日(現地時間)、北朝鮮の汚物風船について「明白な『ソフトテロ』」と明らかにした。さらに北朝鮮がテロを決意する場合、深刻な脅威になるという点を看過してはいけないという指摘もあった。

また、北朝鮮が戦争に出る戦略的決定を終えたという一部の主張に関連し、ロシアに対する武器販売状況、および北朝鮮が全面戦争を控えて偽装平和戦術を見せてきたが最近はこうした戦術がないという点で、可能性は低いと分析した。

チャ氏らは報告書で「ロバート・カーリン・ミドルベリー国際研究所研究員、ジークフリード・ヘッカー・スタンフォード大名誉教授ら一部の専門家は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が祖父のように戦争に出る戦略的決定を終えたと主張する」と想起した。

続いて「この仮説は多くの注目を集めたが、実情を正確に反映していない」とし「金正恩委員長が実際に戦争を準備中なら、自分たちが持つすべての弾薬をロシアに売り渡さなかったはず」と指摘した。

さらに「戦争が実際のカードなら、金正恩委員長が韓国との関係断絶をしなかっただろう」とし「北朝鮮は敵をかく乱する欺まん戦術を使用してきたが、戦争が迫ったとすれば北朝鮮は未来の攻撃を予告するのではなく、朝鮮戦争直後のように南北平和交渉を偽装するはず」と主張した。

チャ氏らは「汚物風船の散布はむしろ韓国の新しい統一政策に対する先制措置の性格が強い」とし「韓国政府は従来の統一政策を放棄して自由と人権という価値に基づいた新しい統一政策を構想していて、これは北朝鮮との体制競争でなく北朝鮮住民の自由への熱望に訴えるもの」と説明した。

報告書は「飢餓と恐怖からの自由、教育を受ける自由は北朝鮮住民に強いメッセージ」とし「これは韓米連合訓練や戦略核訓練よりも爆発力が大きいかもしれない」という見方を示した。

報告書は「金正恩委員長は韓国とのすべての関係を断絶して統一という概念を北朝鮮住民の頭の中から消すことで、これに対する先制措置を取ろうとするもの」と伝えた。

また「北朝鮮は主体思想を宣伝するビラを韓国に飛ばし送るのは笑い話にしかならないという事実を知っていて、その代案として汚物を飛ばしている」とし「これはそれ自体が、北朝鮮体制および彼らが根拠とする思想が事実上破産状態ということを彼らも知っているという傍証」と主張した。

さらに「汚物風船は北朝鮮体制の脆弱性を反映するものであり、軽く見ることではない」とし「この風船に正体不明の白い粉が入っていたとすれば、韓国国民はパニックになり、経済に悪影響を与えかねない」と警告した。