英与党・保守党 挽回のきっかけ得られず、4日総選挙 労働党優位 自由民主党も健闘

AI要約

英下院総選挙が行われ、与党の保守党は劣勢を挽回できずに選挙戦を終える。労働党が優位で、保守党は惨敗が予想されている。

保守党首相は勝ち目があると主張するも、専門家の多くは結果がすでに決まっていると見ている。有力メディアも労働党支持を表明し、保守党支持者の離れも話題に。

右派政党や中道政党も注目されるが、特に自由民主党が保守党の支持低迷により躍進が期待されている。

【ロンドン=黒瀬悦成】英下院(定数650)の総選挙が4日投開票される。支持率が低迷するスナク首相の与党・保守党は起死回生を狙って解散・総選挙に踏み切ったが、劣勢挽回のきっかけを得られないまま選挙戦の最終盤を迎えた。最大野党・労働党の優位は動かず、政界やメディアの関心は保守党がどこまで負けるかに集まりつつある。

調査会社ユーガブの6月27日時点の政党支持率調査では、労働党の37%に対し保守党は20%。同社による獲得議席予想では、労働党が223議席増の425議席に対し、保守党は257議席減の108議席で、惨敗を喫するとしている。

スナク氏は7月1日放映の英BBC放送のテレビ番組で「保守党に勝ち目はまだある」と主張したが、専門家の間では「大勢は決した」との見方が支配的だ。

有力紙フィナンシャル・タイムズとタイムズ日曜版は6月30日、社説で労働党支持を表明。両紙は2005年以降の総選挙で一貫して保守党を支持してきたことから、労働党への支持替えは話題となっている。

大衆迎合政治家のナイジェル・ファラージ党首が率いる右派政党「リフォームUK」は支持率17%で3位につける。ただ、総選挙は選挙区からの当選者を1人とする小選挙区制であるため、同党の獲得議席は5議席にとどまる見込みだ。

代わりに躍進が見込まれるのが中道政党の自由民主党だ。支持率は13%にとどまるが、ユーガブの予想では獲得議席は56議席増の67議席となる見通し。

自由民主党は第二次大戦後、保守党と労働党に不満を抱く無党派の有権者の受け皿となる第三政党の役割を果たしてきた。今回の総選挙では、保守党の低迷ぶりに幻滅した穏健派の有権者が自由民主党に流れているとみられる。