今年の夏、猛暑が襲ってくる…「悪夢の2018年」を越えるか

AI要約

北半球に襲来した早い猛暑と世界的な気温上昇について述べられている。ブロッキング現象やヒートドームの影響で異例の熱波が各地で発生しており、科学者たちも驚く水準となっている。

気象専門家たちは、ヒートドームやブロッキング高気圧の影響により、40-50度近い異常な暑さが引き起こされていると説明している。また、エルニーニョ衰退と太陽活動の極大期による影響も指摘されている。

韓国にも早い猛暑が訪れ、今夏の暑さが深刻化する可能性があると警告されている。さまざまな要因が重なり、過去の猛暑を上回る可能性もあるとされている。

今年の夏、猛暑が襲ってくる…「悪夢の2018年」を越えるか

 北半球を襲った早い猛暑で全世界の気温が急上昇している。地球温暖化で北極圏の温度が上がり、気流の移動を妨害する「ブロッキング現象」が深刻化し、「ヒートドーム」に閉じ込められた形になったためだ。特に「エルニーニョ」が退き「太陽活動の極大期」(約11年周期で太陽の活動が最も活発になる時期)まで迫り、今夏「猛暑三災」をもたらしている。10日、大邱(テグ)など嶺南地域に猛暑注意報が発令され、韓国にも異例の早い猛暑が訪れたが、専門家たちは「6月の猛暑」は始まりに過ぎないと警告する。

 東南アジア地域はすでに2カ月前から気温が40度をはるかに越えた。早い猛暑の襲撃で、ベトナム、フィリピンなどでは休校令が下されるなど、災害に準じた対応が取られている。サウジアラビアでは最近、気温が51.8度まで急騰し、メッカに向けて大巡礼(ハッジ)中の数百人が温熱疾患などで命を失った。米国では厳しい暑さに慣れている南西部だけではなく、暑さが珍しい北東部地域まで気温が32度を超え、当局が猛暑非常事態を宣言するまでに至った。

 ロイター通信は19日(現地時間)、アジア全域で4月に始まった猛暑が「人間が招いた地球温暖化でなければ不可能な水準」という科学者たちの発言を引用し、「(今回の猛暑が)歴史的平均より早い時期に発生したことは明らかだ」と報じた。

 気象専門家たちは40~50度を超える北半球の猛暑の原因として、「ヒートドーム」現象を挙げている。ヒートドームは高気圧が強い勢力を維持し、屋根のような役割を果たし、熱気を閉じ込める現象をいう。啓明大学のキム・ヘドン教授(地球環境学科)は「北半球の場合、北の冷たい空気と南の暖かい空気が上手く混ざらなければならないが、最近北極圏の温度上昇の速度が速くなったことで、温度差が縮まり気流が停滞する現象が随所で起きている」と説明した。このため気圧が停滞し、大気の流れを防ぐ「ブロッキング高気圧」現象が起きたことで、ヒートドームが作られたということだ。

 また、昨年訪れたエルニーニョが衰退し、太陽の黒点活動が最大になる極大期に差し迫っている点も、今年に入ってからの猛暑の原因に挙げられる。釜慶大学のキム・ベクミン教授(環境大気科学科)は、「エルニーニョの翌年には、概ね猛暑が訪れ、(11年に1度の周期的に訪れる)太陽黒点の極大期には、太陽の光が強くなり、地球の温度が上昇せざるを得ない」とし、「今年は一言で言えば、『猛暑三災』が訪れたわけだ」と説明した。

 現在、韓国を襲っている6月の猛暑は、移動性高気圧による一時的な現象だ。しかし、梅雨明けには北太平洋高気圧が勢力を拡大し、北半球の他の国々と同様に、ヒートドームに閉じ込められる可能性もあるという見通しも示されている。慶北大学のミン・ギホン教授(天文大気科学科)は「5月を含め世界の平均気温が12カ月連続で史上最も暑い月の記録が続いたため、韓国でも今年は深刻な猛暑が到来するものと予想される」と話した。

 気象庁は6月中旬頃まで晴れた空から降り注ぐ熱い日差しで暑いだけの「乾式サウナ」のような暑さが続いたとすれば、梅雨前線と共に湿って暖かい空気を含んだ北太平洋高気圧が北上し、暑くて息が詰まる「湿式サウナ」のような暑さが訪れる可能性があると予告している。様々な要因があり断定は難しいが、一部では今夏の暑さが過去の猛暑日数(31日)1位だった2018年を上回る可能性もあるとみている。

シン・ソユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )