ロシア・北朝鮮「軍事同盟」復活 新条約、有事に全ての援助提供

AI要約

ロシアと北朝鮮が署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文が公表された。条約により軍事的およびその他の援助を提供することが明記され、旧ソ連時代の軍事同盟が復活した形となる可能性がある。

金正恩朝鮮労働党総書記は同盟関係を強調し、ロシアの後ろ盾を示唆。一方、プーチン大統領は同盟との言葉を避け、距離を保った発言をしている。

条約には脅威への対応や協議の規定が明記されており、北東アジアの安全保障環境に影響を与えそうだ。報道ではプーチン大統領を最大の国賓として親密ぶりが強調されている。

 【北京共同】北朝鮮メディアは20日、ロシアのプーチン大統領と金正恩朝鮮労働党総書記が19日に署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文を公表した。一方が武力侵攻を受けた際は「遅滞なく、保有するあらゆる手段で軍事的およびその他の援助を提供する」と明記。旧ソ連時代に結ばれていた軍事同盟が事実上復活した形で、北東アジアの安全保障環境にも影響が及びそうだ。

 19日の記者発表で金氏は、条約によりロ朝関係が「新たな高い水準の同盟関係に引き上げられた」と表明。一方、プーチン氏は同盟との言葉は使っておらず、温度差も見られた。

 北朝鮮対応で連携を強める日米韓に対し、金氏は後ろ盾のロシアの存在を誇示したい考えとみられる。北朝鮮メディアは訪朝したプーチン氏を「最大の国賓」だとし、金氏との親密ぶりを多数の写真や映像で大々的に報じた。ロシア側は条約全文を公表していない。

 報じられた条約は計23条。ロ朝の一方に対し直接的な脅威が生じた場合、双方が「脅威を取り除く」ための実践的措置に向けて遅滞なく協議すると規定した。