「侵攻受ければ軍事的援を提供」 ロシアと北朝鮮の条約、全文が公開

AI要約

北朝鮮とロシアが締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文が公開された。条約では相互支援に関する規定が含まれ、武力侵攻時に軍事的援助を行うことが定められている。

条約による相互支援は、国連憲章51条や両国の法に基づき、戦争状態になった際に行われる。両国は武力侵攻に対して即座に対応し、あらゆる手段で援助することを合意している。

金正恩総書記は同調印式で、北朝鮮とロシアの関係が同盟関係となる新たな段階に進んだと述べた。一方、プーチン大統領は軍事技術協力を排除しない姿勢を示している。

「侵攻受ければ軍事的援を提供」 ロシアと北朝鮮の条約、全文が公開

 北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、ロシアのプーチン大統領と金正恩(キムジョンウン)総書記が19日に署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文を公開した。どちらか一方が武力侵攻を受けた場合、「軍事的およびその他の援助を提供する」としている。

 同通信によると、条約は23条からなり、武力侵攻時の相互支援は4条で規定されている。武力侵攻を受けて「戦争状態」になった場合、国連憲章51条や両国の法に準じ、「遅滞なく、保有するすべての手段で」軍事的およびその他の援助を行うとしている。

 国連憲章51条は、武力攻撃が発生した場合、安全保障理事会が必要な措置をとるまでの間、個別的・集団的自衛権を害さないと規定している。

 同通信は条約の調印式についても報じ、金氏は「両国関係は同盟関係という新しい高い段階に上がった」と強調。プーチン氏は19日の署名後の記者発表で「条約による北朝鮮との軍事技術協力を排除しない」と述べていた。(ソウル=太田成美)