ファウンドリー・メモリー・パッケージングのワンストップソリューション提供…サムスン、AIチップ逆転劇展開へ

AI要約

サムスン電子がファウンドリー事業、メモリー半導体、パッケージ事業を統合し、AI時代に最適化された半導体ソリューションを提供する抱負を示した。

サムスン電子は新しい工程計画を発表せず、従来の2nmおよび4nmを効率化したSF2ZとSF4Uを導入し、AI半導体に焦点を当てる戦略を強調した。

サムスン電子は2027年までに2nm工程SF2Zの量産を開始し、最新の技術やワンストップAIソリューションを提供するターンキーソリューションで顧客を説得する戦略を展開している。

ファウンドリー・メモリー・パッケージングのワンストップソリューション提供…サムスン、AIチップ逆転劇展開へ

サムスン電子が「人工知能(AI)時代に最もふさわしいファウンドリーになる」という抱負を明らかにした。ファウンドリー(半導体委託生産)とメモリー半導体、先端パッケージ事業を統合して供給期間を20%短縮したワンストップソリューションを公開しながらだ。

サムスン電子は12日(現地時間)、米カリフォルニア州サンノゼにあるサムスン半導体(DS)部門米州総括社屋で「サムスンファウンドリーフォーラム2024」を開き、ファウンドリー技術戦略を公開した。崔時栄(チェ・シヨン)ファウンドリー事業部社長はこの日の基調演説で「サムスン電子は世界で唯一ファウンドリー、メモリー、後工程を一度に提供できる半導体企業」とし「AI時代に最もふさわしいファウンドリーになる」と明らかにした。

この行事はサムスン電子が2016年から主管している年次行事で、ファウンドリー事業の戦略を共有する場だ。サムスン電子はこれまで同行事で自社の先端工程ロードマップを明らかにしてきた。2022年に2nm(ナノメートル、10億分の1メートル)と1.4nmの工程計画を初めて公開し、昨年は2nm工程の細部計画も競合する台湾TSMCよりも先に知らせた。

サムスン電子は今年、新規最先端工程計画を発表しなかったが、従来の2nmおよび4nmより効率を高めた新工程のSF2ZとSF4Uをそれぞれ追加したと明らかにした。「数字減らし」に焦点を置かず、電力効率化と製品完成度に集中するという戦略だ。崔社長は「AI革命時代に最も重要なのは高性能・低電力半導体」とし「AI半導体に最適化したサービスを提供する」と強調した。

サムスン電子は「裏面電源供給(BSPDN)」技術を適用した2nm工程SF2Zを2027年までに量産すると明らかにした。

BSPDNは電流配線層をウェハー裏面に配置し、電力と信号ラインのボトルネック現象を改善して電力消費を減らす技術。光学的縮小を通じて消費電力と性能・面積を従来の4nm工程より強化したSF4Uは来年量産する予定だ。

TSMCが4月に北米技術シンポジウムを開いて2026年下半期から1.6nm工程を量産すると発表したため、業界ではサムスン電子も今回の行事で1nm台工程の量産時期を操り上げるという予想があった。しかしサムスン電子はこの日、1.4nmを2027年に量産するという従来の計画を変えなかった。その代わり「1.4nm工程で目標にした性能と収率を確保した」と強調した。

ナノ競争の代わりにサムスン電子は総合半導体企業(IDM)という長所を活用し、ファウンドリー、メモリー、パッケージを一つのチームで提供するワンストップターンキー(一括)ソリューションで顧客を確保するという戦略を改めて強調した。崔社長は「ゲートオールアラウンド(GAA)工程技術と少ない電力でも高速データ処理ができる光学素子技術などを通じて顧客が必要とするワンストップAIソリューションを提供する」とし「2027年にターンキーソリューションに多様な技術を共に追加して提供する」と明らかにした。サムスン電子によると、ターンキー方式を通じて顧客は20%以上時間を短縮できる。こうした戦略はグローバル2位挑戦を宣言したインテルのファウンドリーとは相反する方式だ。インテルは他社で生産されたチップもパッケージングするという戦略で顧客を誘致している。

一方、今回の行事にはアーム(ARM)のレネ・ハース高経営責任者(CEO)、Groqのジョナサン・ロスCEOなどグローバルテック企業関係者らも出席した。