国連安保理、ガザ新停戦案を歓迎、イスラエルとハマスに無条件での即時履行求める

AI要約

国連安全保障理事会は10日、パレスチナ自治区ガザで続く戦闘を巡り、新停戦案を歓迎し、イスラエルとハマスに即時履行を求める決議案を採択した。

米国はエジプト、カタールとともに停戦交渉を前進させる考えで、バイデン氏が発表した停戦案は3段階でガザの武力衝突を収束させるもの。

イスラエルとハマスの受け入れは不透明で、イスラエルは軍事力の破壊を続ける考えを強調し、ハマスは決議を歓迎しつつも重要な項目が含まれていないことに言及した。

【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は10日、パレスチナ自治区ガザで続く戦闘を巡り、バイデン米大統領が5月31日に発表した新停戦案を歓迎し、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスに対して無条件で即時履行を求める決議案を採択した。日本など安保理15理事国中14カ国が賛成し、ロシアが棄権した。

決議案を提出した米国は安保理決議の後押しを得て、エジプト、カタールとともに停戦交渉を前進させたい考えだ。

バイデン氏が発表した停戦案は、ガザでの武力衝突を3段階で収束させるもの。6週間の停戦を手始めに、ハマスが拘束する人質の全員解放やガザ全域からのイスラエル軍の完全撤退を2段階に分けて進め、最終的にガザ復興に着手する。

ただ、イスラエルとハマスが停戦案を受け入れるかは不透明だ。

イスラエル代表は10日の安保理演説で、「人質全員が解放されるまでハマスの軍事力と統治力の破壊を続ける目標に変わりはない」と強調した。

ロイター通信によると、ハマスは10日の声明で、イスラエルの完全撤退など決議の項目を列挙して「歓迎する」とした。ただ、その項目にイスラエルが重視する「人質の解放」は入っていなかった。