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イスラエルのガンツ前国防相、戦時内閣を離脱…歯止め役消えガザ停戦交渉で態度硬化か
イスラエルの野党党首、ベニー・ガンツ前国防相がガザでの戦闘を巡る戦時内閣からの離脱を表明。
ガンツ氏はネタニヤフ首相に対し真の勝利への前進を妨げていると非難し、選挙実施を求める。
イスラエル軍によるガザでの救出作戦で多数のパレスチナ人が死亡。
【エルサレム=福島利之】イスラエルの野党党首、ベニー・ガンツ前国防相は9日、記者会見し、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡る戦時内閣からの離脱を表明した。穏健路線のガンツ氏は、過激な政策への歯止めとなってきた。連立政権に参加する極右政党の発言力が強まり、停戦交渉で態度を硬化させる可能性がある。
ガンツ氏は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し「真の勝利への前進を妨げている」と非難し、選挙実施を求めた。
中道右派の野党「国民連合」を率いるガンツ氏は昨年10月、ガザで戦闘が始まると、ネタニヤフ氏との対立を棚上げして戦時内閣に入った。戦時内閣はネタニヤフ氏、ガンツ氏とヨアブ・ガラント国防相の3人で構成する。ガンツ氏は先月、ガザでの戦闘終結後の統治計画を今月8日までに策定しなければ、戦時内閣から離脱すると表明していた。
公共放送カンの世論調査(3日公表)では、ガンツ氏は「次の首相」としてネタニヤフ氏を8ポイントリードしており、戦時内閣離脱には政治的な思惑もありそうだ。
戦時内閣に欠員が生じたことを受け、極右政党を率いるイタマル・ベングビール国家治安相は9日、戦時内閣への参画を要求した。
一方、イスラエル軍が8日にガザ中部ヌセイラットで実施した人質4人の救出作戦を巡り、ガザの保健当局は9日、子ども64人を含むパレスチナ人274人が死亡したと発表した。イスラエル軍の特殊部隊が建物2棟に突入した際、銃撃戦となり、戦闘機も加勢した。