英誌が日本の「コンビニで働く外国人」の本音に注目 オーナーに就任する人材も

AI要約

日本のコンビニ業界における外国人労働者の増加と、多文化共生への取り組みが取り上げられている。

コンビニは日本社会において重要な存在であり、外国人労働者の受け入れが労働力不足に対処する一つの解決策として注目されている。

日本では2030年までに419万人の外国人労働者を受け入れる必要があり、多文化社会への移行が進んでいる。

英誌が日本の「コンビニで働く外国人」の本音に注目 オーナーに就任する人材も

コンビニで働く外国人の姿は、いまやおなじみの光景になっている。英誌「エコノミスト」が、ミャンマー人として初めてセブンイレブンの店舗オーナーに就任した女性に取材し、コンビニを中心に広がる日本の多文化共生を考察した。

いまの日本社会を知りたいなら、東京都港区にあるセブンイレブンに行ってみるといい。

コンビニは、日本が誇る質の高いサービスを体現している場所だ。店のドアが開くたびに、店員は「いらっしゃいませ」と声を張り上げて客を迎える。

棚には季節限定のお菓子が整然と並べられ、レジ前からは揚げたてのフライドチキンの香りが漂う。

港区にあるこのコンビニも一見、どこにでもある普通の店舗だ。同店が他と違うのは、セブンイレブンで初めてミャンマー人がフランチャイズチェーン(FC)加盟店のオーナーを務めていることだろう。

オーナーのメイジンチイツを含め、スッタフは全員ミャンマー人だ。

コンビニは現代の日本社会にとって、必要不可欠な存在だ。1969年に最初の店が開店して以来、日本のコンビニは本家の米国より発展し、社会インフラの一部になっている。

2023年の業界全体の年間売上高は11兆6593億円に上る。セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップの主要4ブランドを合わせた店舗数は5万5600店を超え、2023年の利用者は160億人だった。

コンビニでは24時間いつでも好きなときに食べ物を買い、必要な支払いをして、相撲のチケットを発券し、荷物を送ることができる。外国人観光客はそのサービスの豊富さに驚嘆し、世界的な料理人もコンビニのタマゴサンドを賞賛する。

しかしながら、コンビニで働く日本人の数は減少しつづけている。日本の労働人口は1995年に8700万人とピークを迎え、2050年までに5500万人になると予想される。

女性や高齢者の雇用を増やすことで多少は改善されるかもしれないが、それだけでは限界がある。日本政府は大きな声では言わないが、移民の受け入れは解決策のひとつであり、メイジンチイツがオーナーに就任したのは、それを象徴する出来事でもある。

交換留学生として来日したメイジンチイツは、2008年にセブンイレブンで働きはじめた。当時、日本に外国人労働者は50万人しかおらず、客にじろじろ見られたり、日本人の店員を呼んでほしいと言われたりすることも多かったという。

日本政府は、移民政策について公に語ることは避けているが、近年、急速にその門戸を開いている。外国人労働者の数は2008年からおよそ4倍に増えており、2023年に初めて200万人を超えた。さらに2024年3月、政府は特定技能制度の受け入れ対象分野を追加した。

日本で働く外国人労働者の数は、これからさらに増えるだろう。日本のGDPの目標値は控えめだが、それを維持するためには2030年までに419万人の外国人労働者を受け入れる必要がある。

大規模な移民の受け入れに対する警戒感は根強いが、労働力不足をきっかけに日本は多文化社会になる必要があると、多くのビジネスリーダーや政府関係者が考えている。

現時点で外国人は日本の人口の2.5%を占めるが、政府は2070年までに10%を超えると予想している。これは現在のフランスに匹敵する割合だ。

コンビニ事業を営むセブン-イレブン・ジャパンで外国人雇用や多文化共生に取り組む安井誠は、いまの子供たちが生きているうちにそうした時代は確実に訪れると指摘する。コンビニ業界は、すでにそうなりつつあると言っていい。