フランス、ウクライナに戦闘機を供与 インフラ設備再建も支援

AI要約

フランスのマクロン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領がパリで会談。マクロン氏がミラージュ2000戦闘機の供与やインフラ建設支援を表明。

ウクライナの防衛支援やインフラ施設再建、仏企業への基金設置。特にエネルギー分野に重点。

欧州連合加盟に向けた支援、ウクライナとの原子力利用や軍需産業分野での協力強化。

フランス、ウクライナに戦闘機を供与 インフラ設備再建も支援

 フランスのマクロン大統領は7日、同国を訪問中のウクライナのゼレンスキー大統領とパリのエリゼ宮(大統領府)で会談した。マクロン氏はウクライナへの仏戦闘機ミラージュ2000の供与や、インフラ施設の建設を支援するための基金設置を表明した。

 ミラージュ2000は仏空軍が使用する多目的戦闘機で、現在、新型のラファール戦闘機への交代が進んでいる。マクロン氏は供与する機数については「供与が終わってから公表する」と言及を避ける一方、「パイロットや整備士の訓練をすぐに始める」と述べた。

 ゼレンスキー氏は「この支援は私たち欧州の防衛にとって明確な助けになる」と謝意を述べた。

 仏政府はロシア軍のミサイルや無人航空機(ドローン)による攻撃で甚大な被害が出ているウクライナのインフラ設備の再建も支援する。ウクライナに重要インフラ施設を輸出したり、インフラ建設などに投資したりする仏企業を対象に、約2億ユーロ(約340億円)の基金を設置する。エネルギー、運輸、保健衛生、地雷除去などの分野を想定し、特にエネルギー分野には6000万ユーロ分を優先的に割り当てる。

 またエネルギーや運輸の分野で仏政府機関のウクライナでの支援活動などを拡充するため、4億5000万ユーロを拠出する。

 マクロン氏はまた、ウクライナの欧州連合(EU)加盟に向け、月内にも加盟国間での交渉を開始できるよう支援する意向を明らかにした。

 AFP通信によると、EUの行政執行機関である欧州委員会は交渉開始に向けた条件は満たされていると判断している模様だが、ハンガリーが反対する姿勢を見せている。

 このほか、フランスとウクライナは原子力の平和利用や軍需産業分野での協力を強化することでも一致した。【ブリュッセル宮川裕章】